ドイツのヘヴィ・メタル・バンド、RAGEが『RESURRECTION DAY』を2021年9月17日にリリースされました。
強力作品です。
1999年の『GHOSTS』以来、久々の4人体制でのアルバム。
下記ラインナップです。
- ピーター“ピーヴィー”ワグナー<Vo/B>
- ジーン・ボールマン<G>
- ステファン・ウェーバー<G>
- ヴァシリオス“ラッキー”マニアトプロス<Ds>
おすすめ曲をピックアップしながら、聴きどころを紹介していきます。
『RESURRECTION DAY』の収録曲とおすすめ曲
以下の太字の10曲がおすすめです。
■RAGE/RESURRECTION DAY (2021年)
- Memento Vitae (Overture)
- Resurrection Day
- Virginity
- A New Land
- Arrogance And Ignorance
- Man In Chains
- The Age Of Reason
- Monetary Gods
- Mind Control
- Traveling Through Time
- Black Room
- Extinction Overkill
- Black In Mind (Live)
おすすめ曲のレビュー
レビュー内に記載されている時間は、曲をフル再生した場合の表記です。
1. Memento Vitae (Overture) ~ 2. Resurrection Day
シンフォニックな「Memento Vitae (Overture)」に鳥肌が立ちます。
大作映画のオープニングを思わせる壮大なイントロで、これからのアルバムの展開にワクワクするような曲調です。
わずか1分の長さですが、濃密です。
その「Memento Vitae (Overture)」のフレーズをエレキ・ギターが奏でて「Resurrection Day」がスタート。
鋭いリフが刻まれる曲調にピーター“ピーヴィー”ワグナー<Vo/B>の個性的なヴォーカルが乗ります。
パンチのあるサビのコーラスはさすがで、序盤からRAGE節炸裂。
時折覗かせるオーケストラのフレーズも効果的です。
「Memento Vitae (Overture)」のフレーズを最後に持ってくる構成がまたかっこいいです。
3. Virginity
先行公開されていた曲。
「Resurrection Day」の勢いをベースにさらに突っ走るアグレッシヴなナンバーです。
グルーヴ感のある曲調をベースとしながらも時に加速して突っ走る箇所が興奮を誘います。
攻撃的なリフ軸にキャッチーなサビが展開される激烈メロディック・メタルです。
加速して終わるエンディングも◎!
5. Arrogance And Ignorance
ブルータルなヴォーカルでスタートするパンチのある曲。
かなりアグレッシヴな歌唱なので、全編こんな感じかと思いきやサビは一転してキャッチーに。
このギャップがたまりません。
そのサビがまた魅力的。
1995年作『BLACK IN MIND』の「The Crawling Chaos」を思わせます。
ヴォーカルの後ろで鳴り響くメロディアスなギターがまた心地良いです。
03:48からのギター・ソロも耳を引き付けるフレーズが満載で見事です。
7. The Age Of Reason
ドラマティックなイントロにドキドキします。
すぐにエレクトリックに移行していくのですが、イントロだけでノックアウトされるリスナーも多いはず。
ミディアム・テンポになったり、失速したり、また加速したりと多くな展開を持ちながら、メロディアスなサビでリスナーに迫ってきます。
哀愁あるドラマティックなサビは絶品です。
「Arrogance And Ignorance」での充実したメロディがこの「The Age Of Reason」でも味わえます。
ギターは、テクニカルなフレーズとメロディアスなパートのバランスが見事です。
8. Monetary Gods
この「Monetary Gods」も先行公開されていました。
ザクザクとした鋭いリフが心地良く、終始このリフをベースとして展開します。
いつもファンに安心感を与えるピーヴィーの個性的なヴォーカルが進み、勇壮のあるサビへ移行するところはドキドキします。
アグレッシヴで邪悪なヴォーカルで締めくくるラストがまた曲のインパクトを増大させています。
9. Mind Control
この曲はメロディアスなギターが絶品です。
聴いていて心地よくなるフレーズを連発する02:32からのギター・ソロも最高ですし、その後に魅力的なコーラスを組み込ませたりとフックのあるアレンジが楽しめます。
歌メロとギターの旋律が見事なマジックを起こしている極上ナンバーです。
10. Traveling Through Time
「The Age Of Reason」同様、ドラマティックでスリリングなイントロにワクワクさせられます。
この曲はBLIND GUARDIANの世界観を彷彿させます。
「Traveling Through Time」という曲のタイトルもBLIND GUARDIANを思わせますね。
劇的なイントロからエッジなギターが被さりドラマティックに飛躍していきます。
躍動感のある演奏が心地良く、キャッチーで力強い歌メロがまたエネルギッシュでかっこいいです。
アルバム終盤にピッタリの感動的なメロディが満載です。
11. Black Room
ギターが泣きまくりのバラードです。
「Traveling Through Time」からの流れがよく似合う曲で、『BLACK IN MIND』のラストを飾った名バラード「All This Time」に円熟味を持たせたような極上ナンバーです。
前半はピーヴィーは優しく包み込むような歌唱ですが、ドラムが入り始めると、魅力的なメロディをエモーショナルに歌い上げます。
泣きのギターと中音域のピーヴィーの歌メロが見事な化学反応を起こしています。
12. Extinction Overkill
パワフルな「Extinction Overkill」で、アルバムは幕を閉じます。
「Extinction Overkill」はアルバムの冒頭に持ってきそうなかなりアグレッシヴなナンバー。
スラッシュ・メタルのようなリフが心地良く、突進力があります。
「Traveling Through Time」「Black Room」からの流れが生きています。
突っ走って、ありったけのエネルギーを炸裂させてる感じです。
メロディアスなギターのフレーズを最後に持ってくるエンディングも最高です。
総評
過去の4人体制時代の作品で一番近い作品を挙げるなら1995年作『BLACK IN MIND』です。
『BLACK IN MIND』にドラマティックな要素を足した感じです。
『LINGUA MORTIS』(1996年)や『GHOSTS』(1999年)のようにオーケストラが前面に出ているような音像ではなく、背後から王道メロディック・メタルを装飾するというスタイルです。
『RESURRECTION DAY』の魅力をまとめると…
- ギターはより重厚にメロディアスになった
- ピーター“ピーヴィー”ワグナー<Vo/B>の低音~中音域の歌唱が素晴らしい
- ピーヴィーのヴォーカルとメロディアスなギターが見事な化学反応を起こしている
…となります。
壮大なイントロから力強い王道メタルへと流れ、ドラマティックなアプローチやバラード調の曲を挟みつつ、最後の「Extinction Overkill」でまたドカンとパワフルに締めくくります。
スリリングな50分。
メロディアスでドラマティック、そして力強さも備えている極上ヘヴィ・メタル・アルバムです。
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