PYRAMAZEの7作目『BLOODLINES』のレビューです。
2023年6月23日にリリースされました。
前作『EPITAPH』(2020年)は大傑作でしたが今回もすばらしい。
極上メロディを伴った壮大なサウンドで攻めます。
バラード「Alliance」には、AD INFINITUMのメリッサ・ボニー<Vo>が参加。
タリエ・ハーレイ<Vo>との共演にドキドキ&涙です。
2015年4th『DISCIPLES OF THE SUN』以来、メンバーとして在籍しているヤコブ・ハンセンが本作でもギターとベースを担当。
プロデュースもヤコブなので、サウンドも極上です。
【メンバー】
タリエ・ハーレイ<Vo>
ヤコブ・ハンセン<G/B>
モーテン・ゲイド・ソーレンセン<Ds>
ジョナ・ヴァインガルデン<Key>
以下の7曲がおすすめです。
1. Bloodlines
約2分のインストゥルメンタル。
前作『EPITAPH』に引き続きアルバム・タイトル曲で幕を開けます。
- 00:00~ 神秘的
- 00:12~ 切ないピアノ
- 00:59~ バンド演奏へ。ドラムがダイナミックでかっこいい
- 01:16~ 再び神秘的 → ピタッと止まる → バンド演奏再開
- 01:39~ バスドラがドコドコ入ってよりシンフォニックに
『EPITAPH』は物悲しいピアノが鳴り響く「Epitaph」で幕を開けましたが、この「Bloodlines」は同様の旋律を軸としながらもエレクトリックな演奏を被せたり、引っ込めたりと緩急を持たせたアプローチ。
スリリングなオープニングです。
2. Taking What’s Mine
- 00:06~ バスドラがトントン → シンフォニックかつメロディック
- 00:26~ タリエの哀愁Voに一発KO
- 00:47~ サビ。切なさを維持しながら、程よくエネルギッシュ
- 01:18~ タリエの低音域Vo。耽美的なピアノが強調される
- 01:57~ 2回目のサビが終わると同時に、高音域に向かう。伸びのある歌唱がアツい
- 02:36~ キーボード&ピアノのみになり悲壮感が漂う → 演奏再開
歌メロの充実度がすごい。
最高級のメロディを伴って全力で泣かせにかかります。
シャープなアプローチも組み込ませた「Bloodlines」の後なので、ガツンと攻めてくるかと思いきや、曲調はわりと緩め。
省エネ的メロディック・チューンですね。
次の「Fortress」「Broken Arrow」でメタリック度が増します。
3. Fortress
- 00:00~ 雷雨+スリリングなイントロ → シャープな劇的メロディック・メタル
- 00:39~ 適度にエネルギッシュなタリエの歌
- 00:58~ 低音の語り
- 01:14~ 速度が落ちてサビ。歌メロがじっくりと心に響く
- 02:11~ 1番にはなかった長めの語り
- 02:43~ タリエの音域が上昇
- 03:00~ キーボードが前面に出て、ドラマティックになる。タリエのキーが再び上がって高音域に → 雷雨
低音の語りがいいアクセントになっています。
劇的さが増す03:00~の展開にも引き込まれますね。
雷雨のSEが続いて次の「Broken Arrow」につながりそうな雰囲気ですが、曲は独立して終わります。
4. Broken Arrow
- 00:00~ 刺激的でミステリアス → 躍動感のある演奏へ
- 00:36~ タリエが歌い始める。バックではシャープなギター+耽美的なキーボード
- 00:50~ タリエの熱量が増す
- 01:02~ サビ。「I’m like a broken arrow」の「arrow」で音域が飛躍。01:16からはホッとするようなメロディ展開
- 01:42~ エフェクトのかかった声で「Ring the alarm」 → 普通の声で「I ring the alarm」
- 02:41~ メロディックなギターが伸びてうっとり → 02:51からタリエも魅力的な歌を重ねる
- 03:07~ 静かで美しいパートになるが、03:17からドラムが入ってバンド演奏に
- 03:53~ タリエ、少しがなり気味で高音域
サビがかっこいい。
音域の跳びで攻めて、その後に引くメロディ展開にやられます。
静かになる03:07~は、しばらく続きそうな雰囲気ですが、この曲では短め。
前の曲「Fortress」とは対照的なアプローチがまた面白いです。
5. Even If You’re Gone
- 00:02~ ジリジリしたギター → ダイナミックな演奏
- 00:21~ キーボードが前面に出て、より劇的に美しく
- 00:39~ 気が引き締まるドラム連打 → タリエのセクシー低音Voに瞬殺KO
- 01:00~ タリエの声が切なく伸びる
- 01:14~ サビ。さらに高音域になり、切なさ倍増
- 03:18~ タリエの伸びのある声+きらびやかなピアノ
- 03:44~ 衝撃音とともにダイナミックな演奏パートへ
奥行きのある音像の中でタリエの切ない歌が舞います。
03:44からの演奏パートに衝撃音を加えるところもかっこいい。
全体的に『EPITAPH』収録の「Your Last Call」に似てます。
6. Alliance
AD INFINITUMのメリッサ・ボニー<Vo>が参加。
涙ボロボロ級のバラードです。
- 00:00~ 切ないピアノ
- 00:23~ タリエの歌。声が入ってきた瞬間泣きそうになる
- 00:46~ タリエ、少し情熱的に
- 01:08~ メリッサが歌い始める。美しい。バックではタリエの高音が伸びる
- 01:20~ メリッサのリードVo。01:31からタリエがハモる
- 02:06~ タリエがリードVo。バックでメリッサの声が伸びる…01:08~の逆アプローチ
- 02:40~ メリッサ、これまで以上に高音域で歌う → タリエが中音域で追いかけてきて、しばらく2人で涙腺刺激
最初のピアノ、タリエの歌い出し(00:23~)、メリッサの歌い出し(01:08~)、それぞれに即効性があります。
メリッサとタリエが一緒に歌う場面が多いのもうれしいですね。
曲が進むにつれて、メリッサの存在感が増していきます。
8. Stop The Bleeding
- 00:00~ ジリジリ&シンフォニック+きれいなピアノ
- 00:20~ タリエの歌にうっとり。00:30からストリングス
- 00:39~ 名曲「Particle」(『EPITAPH』収録)の00:55~を想起
- 00:48~ サビ。高音域。切ない…。きれいなハーモニーによって極上メロディが構成される
- 02:01~ メロディックなギターが前面に
- 02:23~ きれいなピアノ → タリエのソフトな歌。優しい光に包み込まれる感じ
- 02:58~ ピアノがキラキラ → 包容力のある素敵な歌メロ → こみ上げてくる「オーー」
「Taking What’s Mine」「Even If You’re Gone」「Alliance」同様、タリエのVoが入ってすぐKOです。
そしてその後も絶品のメロディが乱舞。
02:58~のパートは聴いていて思わず声が漏れます。
随所にストリングスを絡めたり、雰囲気が変わる02:01からのギターなど、歌以外でも魅了。
濃密で感動的です。
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