PERIPHERYの7作目『PERIPHERY V: DJENT IS NOT A GENRE』のレビューです。
2023年3月10日にリリースされました。
前作『PERIPHERY IV: HAIL STAN』(2019年)は約17分の大作「Reptile」が1曲目という攻めの構成でしたが、今回はジャズを組み込ませた曲で幕を開けます。
見事な変化球攻撃で、以降の曲も予測不可の要素が満載。
以下の太字7曲がおすすめです。
- Wildfire
- Atropos
- Wax Wings
- Everything Is Fine!
- Silhouette
- Dying Star
- Zagreus
- Dracul Gras
- Thanks Nobuo
- スペンサー・ソーテロ<Vo>
- ジェイク・ボーウェン<G>
- ミーシャ・マンソー<G>
- マーク・ホルコム<G>
- マット・ハルパーン<Ds>
1. Wildfire
- 00:00~ 刺激的でヘヴィな演奏+スペンサーのスクリームを主軸に進行
- 01:07~ マットのかけ声+ドラムスティックによるカウント → ゲームのようなSE
- 01:38~ スペンサー、クリーン・ヴォイスを絡める
- 02:11~ サビ。ヴォーカルはさらにメロディアスに。「Wi~~ldfire~」とキャッチーな歌メロが伸びる
- 03:14~ 変則的かつシャープなリフ+リード・ギター。エモーショナルなフレーズが徐々にピロピロ
- 04:25~ 「Wi~~ldfire~」に少しずつエフェクトがかかり、 ジャズ・パート。「今夜も素敵な時間をお過ごしください」的な雰囲気に
- 05:01~ コロコロしたピアノ
- 05:19~ 哀愁漂うサックス
- 05:36~ マットのドラムを合図に再びアグレッシヴに
- 06:13~ 浮遊感のあるSE → ヘヴィな演奏で突進 → 劇的なSE
この曲でサックスをプレイしているのはヨルゲン・ムンケビー。
こちらの「GUEST/SESSION」で参加曲を確認できます。
AMORPHIS、DEVIN TOWNSEND、EPICA、IHSAHN、MARTY FRIEDMANなど、多くのアーティストたちと共演しています。
2. Atropos
- 00:00~ ややスローでヘヴィ
- 00:25~ 演奏が叙情的になり、スペンサーのクリーン・ヴォーカルが入る。00:32からは美しいハーモニーも重なる
- 01:13~ 変則的な演奏+SE
- 01:22~ スペンサーのスクリーム → ピロピロなギター → 少しフワフワしたスペンサーのクリーン・ヴォーカル
- 02:23~ いったん演奏がストップ → 美しいハーモニーによる「how」 → 演奏再開
- 02:36~ 鋭いギター・リフが刻まれ、スペンサーのスクリーム
- 03:00~ スペンサーのブルータル度が増し、バックではヒステリックなギター
- 04:00~ マットのドンドンしたドラム+SE+エフェクトのかかった何とも言えないスペンサーのヴォーカル
- 04:47~ スペンサーのスクリーム → ヘヴィで伸びる演奏 → キャッチーなコーラス → スクリーム&突進 → キャッチーなコーラス再び
- 06:03~ ヘヴィな演奏+警告音的なギター・フレーズ
- 06:27~ ギターが伸びる、伸びる、伸びる…
- 07:15~ スリリングなSE。07:31からストリングスが入り、ドキドキ度が増す
3. Wax Wings
- 00:00~ ポコポコしたギター → グルーヴィに展開
- 00:29~ スペンサー、クリーンの高音域。00:41からはスクリームも絡める
- 01:10~ ハーモニーも重なり歌メロにインパクトが増す
- 02:02~ スペンサーの歌唱モードが変わり、バックではきれいなピアノ
- 03:02~ 印象的なギターがグルグル
- 04:20~ ピアノ再び。04:38からはストリングスも入り、美しい演奏をバックにスペンサーがソフトに歌う
- 05:01~ 切ないギターが涙を誘う…前作『PERIPHERY IV: HAIL STAN』の「Reptile」(12:04~)に少し似た雰囲気
- 05:42~ スペンサーの高音ヴォーカルが伸びて、ド~ン
- 06:03~ スペンサーの高音域が圧巻 → バックでは厳かなコーラス
- 06:22~ メロディックかつエネルギッシュなギターが浸透してくる
- 06:47~ 劇的で美しいサウンド
5. Silhouette
PERIPHERY的癒しソング。
心が洗われます。
- 00:00~ ノイズがプツプツ。「Reptile」の00:07~を想起
- 00:18~ スペンサーの声が入ってきた瞬間ドキッ。絶品の歌メロ。00:36からはコロリンとしたピアノ
- 01:39~ 少しボコボコしてきてリズミカルに。ノスタルジックな雰囲気もあり
- 02:58~ 浮遊感が増す
- 03:13~ ピコピコし始め、さらに奥行きのある音像に
6. Dying Star
PERIPHERY的清涼剤。
「静」と「ゆるやかな動」のバランスがすばらしいです。
- 00:19~ スペンサー、中音域のクリーン・ヴォイス。00:23からは魅力的なハーモニーも重なる
- 00:38~ 高揚感が増す歌メロ
- 00:57~ 盛り上がるかと思いきや、トーンを静めて美しい歌メロ(サビ)
- 02:05~ 熱量が増すサビのメロディ。02:24からは音域が上がりさらに胸アツ
- 03:12~ ドラマティックで安堵感のある演奏
- 03:45~ バックでスペンサーの高音が伸びる(かすかに聞こえる程度なのがまたいい)
- 04:00~ いったん静かに
- 04:19~ ハーモニーが厚くなったサビ。絶品
7. Zagreus
この曲は中盤(03:42~)からがおすすめです。
それまでは、ヘヴィで溜めのある演奏や突進を含ませながらのなかなか忙しい展開。
スペンサーはスクリーム(時にはブルータル)とクリーンを絡めます。
- 03:42~ ふわっとした声と共に泣きの入ったエモーショナルなギター
- 04:13~ スペンサーのソフトな声が入る。美しい歌メロが言葉数多めで展開
- 04:42~ 歌が少しエネルギッシュに。キャッチーなコーラスも被さる
- 05:58~ 変則的なマシンガン演奏
- 06:46~ ギターの音が伸びる、伸びる → ピアノがキラリ+物悲しいストリングス
- 07:22~ シンフォニックな音像
9. Thanks Nobuo
- 00:00~ 叙情的フレーズ → ヘヴィかつメロディックな演奏
- 00:39~ スペンサーはハーモニーを伴ってクリーン・ヴォイスで進行。声を聞いた瞬間ホッとするような魔力
- 00:56~ スクリームも絡める
- 01:15~ サビ。キャッチーで素敵な歌メロ。最後の曲っぽくて、とってもいい感じ
- 02:40~ サビ2回目。1回目(01:15~)とは違ったアプローチ
- 03:18~ スペンサーのスクリーム → メロディックかつスリリングな演奏
- 03:37~ 魅力的なクリーン・ヴォーカル+スクリーム
- 03:55~ ほんわかピロピロして、スペンサーの歌も曲調に呼応
- 04:22~ 音が左右を行き来する
- 05:51~ スペンサーの高音域による歌唱。圧巻
- 06:27~ ストリングスが入る → 迫りくるドラム → 劇的演奏 → 神秘的な音像が続く…
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