METAL CHURCHの13作目『CONGREGATION OF ANNIHILATION』のレビューです。
2023年5月26日にリリースされました。
マーク・ロペス<Vo:ROSS THE BOSS, LET US PREY>加入後初となるアルバム。
マークはいきなり高音域に飛ぶ唱法が独特で、演奏はパワフルかつスラッシーな攻め(MEGADETH、PANTERAを思わせるパートあり)が効いています。
歌も演奏も目が覚めるようなアプローチがあちこちに散りばめられた『CONGREGATION OF ANNIHILATION』。
以下の太字7曲(本編前半6曲+ボーナス・トラック1曲)がおすすめです。
- Another Judgement Day
- Congregation Of Annihilation
- Pick A God And Prey
- Children Of The Lie
- Me The Nothing
- Making Monsters
- Say A Prayer With 7 Bullets
- These Violent Thrills
- All That We Destroy
- My Favorite Sin
- Salvation
- マーク・ロペス<Vo>
- リック・ヴァン・ザント<G>
- カート・ヴァンダーフーフ<G>
- スティーヴ・ウンゲル<B>
- ステット・ハウランド<Ds>
1. Another Judgement Day
- 00:00~ ドコドコとドラムが入ってMEGADETHのような鋭いギター
- 00:12~ 怪しくメロディックなフレーズが被さる
- 00:57~ 「Another judgement」ときて、ハイトーンで「da~~y!」(以降このアプローチが何度も登場)。キリキリしたギターも◎
- 01:56~ エキサイティング&ちょっと泣きの入ったギター・ソロ
- 03:00~ ハイトーンの「da~~y!」も含めて、マークの声がお祭り的にいろいろ
「ドロッとしたMEGADETH」といったオープニングでいい感じ。
MEGADETHに通じるアプローチはこれだけでなく、次にもその後にも登場します。
2. Congregation Of Annihilation
- 00:00~ MEGADETHの「Dread And The Fugitive Mind」(2001年9作目『THE WORLD NEEDS A HERO』収録)が速まった感じ
- 00:08~ スラッシーに出発進行
- 00:18~ ステット、スネアをトントン叩き、ドンドン
- 00:36~ マーク、邪悪で湿り気のあるVo(この時は…)
- 00:54~ スネアの連打と共にマークの邪悪さが増す → ハイトーンに
- 01:13~ 曲名を早口でコール。力強いんだけど、なぜかジワジワくる
- 02:19~ マーク、声をガラガラにしながら伸ばす(湿り気なし…)
- 02:28~ スティーヴのベースが前面に出て心地良い
- 02:37~ ギター・ソロ。緊張感が増す02:56からが特におすすめ
- 03:35~ ジワる早口のサビを何度も繰り返し
- 04:11~ ガラガラ声伸ばし
早口のサビがツボです。
何度も繰り返すのですが、くどく感じないのがすごい(もっと多くてもいい)。
声の潤いがなくなってもハイトーンで飛ばすマークのヤケクソ感も最高です。
3. Pick A God And Prey
刻みと叩きの連打がかっこいいナンバーです。
- 00:00~ ザクザク・ギター
- 00:07~ ドラム連打
- 00:27~ 怪しくメロディックなフレーズ(「Another Judgement Day」の00:12より少しドライな感じ)
- 00:48~ 心地良いスネアの連打
- 01:34~ マーク、それまでの音域から高跳びしてハイトーン
- 02:45~ PANTERA「Mouth For War」(1992年2nd『VULGAR DISPLAY OF POWER』収録)の03:06~に似てる
- 02:58~ キリッとしたギター・ソロ
- 03:26~ ドコドコ突進する中、ベースが前面に
- 03:41~ 刺激的な連打
「Mouth For War」的になってギター・ソロに流れる02:45~はアツい!
90年代の名曲が80年代風のサウンドで解釈されているのも面白いです。
4. Children Of The Lie
- 00:00~ MEGADETHの「Tornado Of Souls」(1990年4th『RUST IN PEACE』収録)みたい
- 00:23~ スネアを叩きつけてサクっと突き進む
- 00:42~ マーク、リズミカルなVo
- 01:03~ 声にエフェクトがかかる
- 02:08~ 演奏にシャープさが増す。1音1音伸びるギターがかっこいい
- 02:28~ エフェクト声
- 02:48~ エモーショナルなフレーズが前面に
- 03:56~ スロー・ダウンし美しくドラマティックに。骨太ベースが強調されてナイス
- 04:20~ 泣きのフレーズが続く
スタートはうれしいぐらいに「Tornado Of Souls」。
その後は想像もつかないような展開をみせます。
哀愁フレーズで魅了し、フェードアウトしていく構成もすばらしいですね。
5. Me The Nothing
この曲はサビ(01:29~)がツボ。
マークが、JUDAS PRIEST「Painkiller」(1990年12作目『PAINKILLER』収録)でのロブ・ハルフォード<Vo>ようなハイトーンでヒステリックかつミステリアスに歌います。
2回目以降は、サビがくると安心し「もっともっとやってほしい」となること間違いなし。
叙情的パートやダイナミックな演奏を織り交ぜながら中毒性のあるサビに回帰するアプローチが秀逸です。
6. Making Monsters
- 00:00~ ミステリアスな音像の中でドライなギター
- 00:11~ グリグリ・ベース+タフなドラム
- 00:23~ まい進
- 01:07~ 濁りがありながらもキャッチーなサビ
- 02:26~ ドラムがドン!ドン!
- 02:48~ ギターがグイ~ンと伸びる → エモーショナルなフレーズ → 03:20から切迫感が増す
- 04:21~ マークの濁り声が潤う
- 04:29~ いきなりハイトーン
1989年3作目『BLESSING IN DISGUISE』収録の「Badlands」のように静と動の攻めが効いています。
「静と動の二刀流」ですね。
10. My Favorite Sin
かっこいいボーナス・トラックです。
- 00:00~ グルーヴィでノリがいい
- 00:21~ マーク、ゆっくりクネクネしながらのVo。ライド・シンバルが気持ちいい
- 01:00~ マークの声が一瞬クリーンに → すぐ濁ってハイトーン
- 01:21~ マークの歌に狂気さが増す → ゴージャスなコーラスも絡まる
- 02:09~ ミステリアスな演奏パート。ここでもライド・シンバルがいい感じ
- 02:28~ ベースが前面に出て、渋くエネルギッシュなギター・ソロへ。メロディアスになる02:52からが特にかっこいい
ガツンと終わりそうな曲調ですが、フェードアウトして終了。
意外ではありますが、クールダウン効果もあってなかなかいいですね。
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