ボリューム満点のMASTODONの通算8作目『HUSHED AND GRIM』をおすすめする記事です。
2021年10月29日にリリースされました。
トータル約90分のスケール。
ハマります。
特徴を挙げると…
- ヘヴィ
- ダーク
- ミステリアス
- ドラマティック
- 要所要所でインパクトのあるドラミングが顔を出す
- クセになる
…といった感じです。
MASTODONは下記の4人編成。
- トロイ・サンダース<B/Vo>
- ブレント・ヒンズ<G/Vo>
- ビル・ケリハー<G>
- ブラン・デイラー<Ds/Vo>
そのうち、トロイ・サンダース<B/Vo>、ブレント・ヒンズ<G/Vo>、ブラン・デイラー<Ds/Vo>の3人がリード・ヴォーカルをとるという異色のスタイル。
楽曲によってリード・シンガーが違うのも面白味の1つです。
おすすめ曲をピックアップしながら、聴きどころを紹介します。
『HUSHED AND GRIM』の収録曲とおすすめ曲
以下の太字の10曲がおすすめです。
■MASTODON/HUSHED AND GRIM (2021年)
- Pain With An Anchor
- The Crux
- Sickle And Peace
- More Than I Could Chew
- The Beast
- Skeleton Of Splendor
- Teardrinker
- Pushing The Tides
- Peace And Tranquility
- Dagger
- Had It All
- Savage Lands
- Gobblers Of Dregs
- Eyes Of Serpents
- Gigantium
おすすめ曲のレビュー
レビュー内に記載されている時間は、曲をフル再生した場合の表記です。
1. Pain With An Anchor
リード・ヴォーカル:ブラン・デイラー<Ds/Vo>、トロイ・サンダース<B/Vo>
ややアップ・テンポ気味に進行するオープニングです。
ヴォーカルのメロディには浮遊感があり、これがまた心地良いです。
04:09からはヘヴィなリフにミステリアスさが加わり、畳みかけてくるのですが、この展開が圧巻。
奥行きのある音像で迫ってきます。
2. The Crux
リード・ヴォーカル:トロイ・サンダース<B/Vo>
爆発力のある出だしでガツンとやられます。
ノックアウトです。
MASTODONはヘヴィなリフとインパクトのあるドラムで攻めてくるパートが魅力的なのですが、この「The Crux」ではそのドラムが炸裂。
そして、02:38からの叙情的パートがまたいいアクセントになっています。
04:00から再びアグレッシヴに加速していきます。
ヘヴィな演奏とドラムの攻めがすごいナンバー。
スリリングな展開をみせる5分間です。
3. Sickle And Peace
リード・ヴォーカル:トロイ・サンダース<B/Vo>、ブラン・デイラー<Ds/Vo>
ヘヴィに攻めてくる「The Crux」とは対照的に、ポップな感じでスタートする異色の曲。
新鮮です。
曲が進むと、ヘヴィなリフが重なってきますが、ポップな感覚も残していて、心地良いです。
ドロドロし過ぎず、適度にほんわかしています。
このあたりがうまいですね。
03:00以降はキーボードが前面に出始めて、劇的ヘヴィ・サウンドに。
徐々に深遠になっていきます。
引き込まれます。
4. More Than I Could Chew
リード・ヴォーカル:ブラン・デイラー<Ds/Vo>、トロイ・サンダース<B/Vo>
厳かな雰囲気を持ちながらスローに攻めてくるナンバー。
強靭なギター・サウンドを軸に進んでいきます。
訴えかけてくるような魂のこもったヴォーカルもすごいです。
説得力抜群。
そして、ヘヴィな音像にメロディアスなフレーズが重なる05:46からの流れがまた最高です。
7. Teardrinker
リード・ヴォーカル:ブラン・デイラー<Ds/Vo>、トロイ・サンダース<B/Vo>
ミステリアスでメロディアス。
インパクトのあるドラムを挟むのがうまいMASTODONですがこの「Teardrinker」もそう。
爆発力のあるドラミングを入れつつ曲が展開していきます。
迫力あるドラムのあとにメロディアスなヴォーカルに移行する構成が絶品です。
8. Pushing The Tides
リード・ヴォーカル:トロイ・サンダース<B/Vo>、ブラン・デイラー<Ds/Vo>
約3分半のコンパクトなナンバー。
ヘヴィなリフと軸にアグレッシヴな展開をみせて、パワフルに締めくくる曲です。
ここまでが43分。
前半パートとしてとらえることができます。
フーッと一息ついて後半戦に備えましょう。
9. Peace And Tranquility
リード・ヴォーカル:ブレント・ヒンズ<G/Vo>、ブラン・デイラー<Ds/Vo>、トロイ・サンダース<B/Vo>
「Pushing The Tides」の力強さを継承したような形でスタートを切ります。
そして、ややスローダウンしメロディアスな歌が入ってきます。
02:33からヴォーカルにミステリアスさが加味されていくのですが、これがインパクト抜群。
そして03:51からは、エモーショナルなギターとドラムが絡み合っていくという圧巻の展開をみせます。
後半戦、出だしから歌と演奏でドキドキさせてくれます。
11. Had It All
リード・ヴォーカル:トロイ・サンダース<B/Vo>
浮遊感のある神秘的なナンバー。
イメージでいえば、薄暗い空間。
海や湖など、水のある場所を連想させるサウンドです。
曇り、あるいや間もなく夜を迎える海や湖といった感じです。
物悲しい曲調で進んでいき、03:08からはインパクトのあるギター・ソロが被さってきます。
ここのソロは特に圧巻。
すごいです。
13. Gobblers Of Dregs
リード・ヴォーカル:トロイ・サンダース<B/Vo>、ブラン・デイラー<Ds/Vo>
8分半の大作。
最初は静かな感じで始まります。
「Had It All」のような世界観でスタート。
ほぼ半分はこの曲調です。
04:48から、やや躍動感が増していきます。
ヘヴィなリフは被さらない展開ですが、ワクワクします。
ここでも抜群のドラミングが聴けます。
やはりアプローチの仕方がうまいです。
06:43からインパクトあるギターのフレーズが登場して、エンディングを迎えるという展開。
徐々に緊張感を増していく構成が絶品です。
15. Gigantium
リード・ヴォーカル:ブラン・デイラー<Ds/Vo>、トロイ・サンダース<B/Vo>
アルバムを締めくくるナンバー。
ヘヴィなリフを軸にドラマティックに展開していく曲調で、エモーショナルなヴォーカルが素晴らしいです。
重厚なギターが心地良く鳴り渡り、テクニカルでエネルギッシュなギター・ソロも全身に響いてきます。
最後の曲のため、暗い空間に光が差し込んでくるかのようなイメージもありますが、同時に不気味さも残したエンディング。
ミステリアスな音がピタッと止まり、アルバムは幕を閉じます。
総評
MASTODONの『HUSHED AND GRIM』。
濃いです。
深いです。
何度も聴きたくなるような中毒性のあるヘヴィネス。
2009年4th『CRACK THE SKYE』をボリューム・アップさせたような圧巻のサウンドです。
トータル約90分の壮大なスケール。
ラスト「Gigantium」のエンディングにも注目です。
不穏な雰囲気を残しつつ音が途絶える締めくくりは考えさせられます。
そしてもう1回最初から聴きたくなる。
『HUSHED AND GRIM』は、そんな好循環を体験できます。
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