元DREAM THEATERのマイク・マンジーニ<Ds>の1stソロ、MANGINI『INVISIBLE SIGNS』のレビューです。
2023年11月11日リリース。
元EVANESCENCEのギタリスト、ジェン・マジューラがヴォーカル、FIREWINDのガス・Gがリード・ギターで参加しています。
- 曲の長さは2分台後半~3分台後半
- 曲の中盤でマンジーニのテクニカルなドラムが登場(ガス・Gとのプレイが特にアツい)
というスタイルをとっていて、聴きやすい曲構成の中にスリリングなフレーズを絶妙に配置。
マンジーニ在籍時のDREAM THEATERでいえば、「Build Me Up, Break Me Down」(2011年『A DRAMATIC TURN OF EVENTS』収録)や「Paralyzed」(2019年『DISTANCE OVER TIME』収録)に近い作品となっています。
【メンバー】
マイク・マンジーニ<Ds>
ジェン・マジューラ<Vo>
ガス・G<G>
アイヴァン・ケラー<G>
トニー・ディッキンソン<B>
以下の10曲がおすすめです。
1. Freak Of Nature
00:12のマンジーニのドラミングがかっこいい。
ドン!ドン!と体中に心地良く響いてくるサウンドで、これが曲中繰り返されます。
00:19からジェンが歌い始め、00:45からグルーヴィに進行。
00:54~のサビでは曲名を区切る唱法が光ります。
02:20からはガス・Gのギター・ソロになり、テンションが上がる02:27~でマンジーニのドラムが暴れ始めます。
特に02:41からがすごい。
圧巻の高速連打です。
2. Invisible Signs
スローでヘヴィなナンバー。
マンジーニの爆発力のあるドラムを軸とし、怪しさと美しさが同居した歌メロが展開していきます。
02:03~は中音域中心のギター・ソロになり、02:11~でマンジーニのドラムが少し暴れますが、ここは「Freak Of Nature」の02:20~をクールダウンさせたような感じ。
以下も刺激的です。
- 02:23~ 不気味な低音ボイス
- 02:24~ ドン!(たった1回ですが、インパクトがあり)
- 02:26~ ベースがガキガキ
3. Habit To Change
ミステリアスかつデジタルな空間でマンジーニがドラムを叩き始めます。
ドラム・ソロを観ているみたい。
ジェンのVoはゆらゆらしながら進んでいきますが、演奏のドライヴ感が増す01:13以降、メロディがつかみやすくなり、魅力的なハーモニーも重なります。
- 01:30~ 曲名を歌う
- 01:33~ ガス・Gのギター・ソロ
- 01:39~ マンジーニのドラムがドコドコ
の流れもかっこいいです。
4. Not Drowning
00:00~のフレーズが印象的。
これをなぞる形でヘヴィな演奏になります。
00:29からジェンの歌が入り、バックではマンジーニが連打+ドンドコ。
かっこいいです。
00:42から加速し、サビ(01:05~)では再度減速。
「not drowni~~ng」と伸びるメロディに中毒性があり、頭の中でグルグル回転します。
02:18~の演奏パートではガス・Gもマンジーニもテンション高め。
2人とも全開ではないですが、適度に弾きまくり&叩きまくりです。
5. Deep Inside
- 00:00~ スローで骨太、ダーク
- 00:12~ 不気味な声+物悲し気なギター
- 00:30~ マンジーニ、連打を少々
という流れを踏み、00:50からジェンが闇を抱えたように声を伸ばしながら歌い始めます。
ダークサイドに引き込まれるような感じで進みますが、下記は目が覚めるような展開。
- 02:08~ ガス・Gのギター・ソロがピロピロ。同時にマンジーニのエキサイティングなドラミング
- 02:27~ ベースがグリグリ
逆張り的なアプローチが効いています。
6. Saying Sorry
キラキラ/ポコポコしながらテンポよく進む00:05~がまず心地良いです。
そしてジェンのVo。
やや想定外のタイミングで浮遊感のある魅力的な歌声が入ってくるので、聞こえてきた瞬間「おお…」となります(その後のささやきも◎)。
01:00から高揚感が増しますが、サビ(01:21~)ではちょっと歪んだ感じで進行。
緩急あるメロディ展開がいいですね。
演奏パートは以下のような流れ。
- 02:23~ ガス・G、じっくり聴かせる。マンジーニはドン!ドン!を主流に時々トコトコ/ドコドコ
- 03:02~ ガス・G、速弾き
その後サビに戻りますが、高音域の03:26~がまたナイス。
ジェンのヴォーカルが特に光るナンバーです。
8. Glamorous Shades
マンジーニとガス・Gの演奏パートが複数回登場します。
曲はヘヴィかつグルーヴィに進行。
00:28から魅力的なハーモニーが重なり、00:34から早くもガスGの速弾き+マンジーニのエキサイティングなドラミングが入ります。
00:56からはドン! → スローダウン → サビになりますが、ドン!が効いてますね。
そして01:06から再度マンジーニとガス・Gが魅せます。
02:00~はそれまでの演奏パートの拡張版といった感じで、ここでも両者がスリリングなプレイを披露。
エンディング間近の02:53~でもマンジーニが少し暴れます(ガス・Gのリード・ギターはなし)。
9. It’s Noise
デジタル・テイストを帯びながらドッシリと進行。
00:46からジェンのVoが入りますが、歌い始めた音域をフワフワするメロディに引き込まれます。
00:55からはマンジーニが少し連打を絡めたパフォーマンス。
いいスパイスです。
01:06からは歌が少し歪み始めますが、これがまた心地良くいいメロディ。
高音域での01:49~や、安堵感のある02:00~のバックVoも素敵なアレンジです。
02:31からは中音域中心のガス・Gのソロ。
そして02:38からマンジーニが連打で応戦します。
11. Seek And Find
トライバルな00:00~が面白い。
そして00:04から通常のドラム連打が入ってきて、ドライヴ感のあるハードな本編へと流れていきます。
ジェンは高音域で伸びのあるヴォーカル。
マンジーニは適度にバスドラ連打を絡めます。
ガス・Gのソロは、この曲ではエンディング付近の02:20~。
その後02:28からマンジーニが畳みかけ、ジェンの曲名をかっこよく区切る歌と共にドドン!ドドン!と締めくくります。
12. Black Box
ラストはモダンな雰囲気。
00:03~の打ち込み系のリズム・パターンに魅了されます。
ジェンのVoは少し邪気を帯びた感じで、バックからも不気味な声が絡みます。
01:03~の低音ボイスにもドキッとしますね。
- 01:29~ 加速
- 01:31~ キャッチーなコーラス
という流れもいいアクセントになっています。
その後スローになって02:05からガス・Gのソロ。
02:15からマンジーニがトコトコ/ドコドコします。
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