米国のヘヴィ・ロック・アイコン、KORNが14作目『REQUIEM』を2022年2月4日にリリースしました。
独特のオーラは健在。
中毒性の高い強烈な作品ですので、おすすめ曲を挙げながら聴きどころを紹介します。
本編は全9曲、トータル約32分というコンパクトな長さ。
一気に聴けるヘヴィ・ロックです。
『REQUIEM』の収録曲とおすすめ曲
以下の太字の8曲がおすすめです。
■KORN/REQUIEM (2022年)
- Forgotten
- Let The Dark Do The Rest
- Start The Healing
- Lost In The Grandeur
- Disconnect
- Hopeless And Beaten
- Penance To Sorrow
- My Confession
- Worst Is On Its Way
メンバー
- ジョナサン・デイヴィス<Vo>
- ジェームズ“マンキー”シェイファー<G>
- ブライアン“ヘッド”ウェルチ<G>
- レジナルド“フィールディ”アーヴィツ<B>
- レイ・ルジアー<Ds>
おすすめ曲のレビュー
レビュー内に記載されている時間は、曲をフル再生した場合の表記です。
1. Forgotten
KORNのシンボルの1つでもあるレジナルド“フィールディ”アーヴィツ<B>のバキバキ・ベースでスタート。
弾力性のあるヘヴィ・サウンドで始まるインパクトのあるオープニングです。
そしてジョナサン・デイヴィス<Vo>の歌が入るとミステリアスな雰囲気に。
そして妖しい音像の中で独特な歌メロが展開されます。
メランコリックな雰囲気に包まれますが、ヘヴィさを失ってないのが見事。
爆発力のあるドラムも1音1音ズシンズシンと響いてきて迫力満点です。
02:20からのジョナサンのアブノーマルな感じのヴォーカルもいいスパイスになっています。
2. Let The Dark Do The Rest
不穏でヒステリックに鳴り響くギターを軸に進行するスロー・ナンバー。
歪んだ感じで歌うジョナサンのヴォーカルとミステリアスな曲調が絶妙にマッチしています。
不気味でありながらも美しさを放つ02:25からの歌メロが特に絶品。
そしてこの後再びヘヴィに移行。
ハッと目覚めるような終わり方にも注目です。
3. Start The Healing
FEAR FACORYのような非人間的かつ冷酷なギター・リフにジョナサンのミステリアスな唱法が溶け込む強烈なヘヴィ・チューン。
機械的なリフを軸に進む展開は中毒性があります。
エフェクトのかかったスクリーム系のコーラスが被さる箇所も一度聴いたら頭から離れません。
4. Lost In The Grandeur
出だしの叩きつけるドラム、もがくようなギター音が強烈。
ジョナサンのヴォーカルは低音中心でささやくような感じで進行。
エネルギーをため込んでいて、まだそれを開放しきってないような不気味さがあります。
02:44から変則的になり、ここで被さるジョナサンの歌に少し激しさが増します。
そしてまた低音域の歌メロに戻るといった構成。
不穏な雰囲気を醸し出しながらもスリリングな展開をみせるヘヴィ・ロックです。
5. Disconnect
出だしから00:09までの重装備のマシンが迫ってくるかのようなアプローチで虜になります。
その後はダークでミステリアスに進行。
負の感情を抱え込んだようなジョナサンの歌が独特で、その後ろで「Let The Dark Do The Rest」のようなナーバスな音を出し続けるギターもインパクトがあります。
サビは美しくメロディアス。
サビに行くまでの歌唱とのギャップが面白いです。
02:14からのパワフルな展開もテンションが上がります。
ラストは最初の重装備アプローチで畳みかけて締めくくります。
7. Penance To Sorrow
始まり方が1999年4th『ISSUES』収録の「Falling Away From Me」のリフを思わせるナンバー。
00:15~も「Falling Away From Me」の出だしに似ていますね。
メランコリックな雰囲気でありながらも曲調はリズミカル。
ジョナサンの歌はメロディアスなスタイルを基調にしていて、時折ささやき系やグロウルを入れています。
02:59のジョナサンのグロウル、曲のラストに向けての突き刺さるようなギター音がまたすごいインパクト。
曲の始まりからは想像つかないような終わり方です。
8. My Confession
レイのパワフルなドラムで始まります。
「叩きつけられる」という表現が当てはまるナンバー。
ヘヴィでリズミカルな曲調にジョナサンのテンポの良い歌が乗り、サビではダークでメロディアスになるという展開。
不気味さを前面に出しながら気だるそうに歌うパートや、負の感情を開放したかのようなグロウルもあり、様々な歌唱を披露するジョナサンのパフォーマンスが光ります。
出だしでノックアウトさせてくれたレイのプレイにも注目。
02:26からのドラムが鬼かっこいいです。
9. Worst Is On Its Way
強靭なリフと歪んたサウンドが交錯するギターがインパクト抜群。
これを軸に展開していきます。
ジョナサンのヴォーカルは、序盤はミステリアスな感じで、サビではメロディアスになります。
このサビが心地良く、KORNにしてはポジティヴな要素が強め。
「ああ本編のラストっぽいな」と感じられるメロディであると同時に、サビ以外では混沌とした雰囲気も残しています。
02:12からは1998年3rd『FOLLOW THE LEADER』収録の「Freak On A Leash」(02:35~)のような歌いまわしも登場。
ここはうれしいアプローチです。
さらに03:22からもこれを聴くことができ、ノイジーなギターがだんだんフェードアウトしてアルバムは幕を閉じます。
不穏な感じを残すのがやはりKORNらしいです。
総評
KORNの14作目『REQUIEM』の聴きどころを紹介しました。
以下が特徴として挙げられます。
- ジョナサン・デイヴィス<Vo>の独特の歌唱…負のエネルギーをため込んでいて「それをいつ爆発させるのだろうか」というスリルがある
- ミステリアスで冷酷なギター・サウンド…負の感情を代弁するかのようなインパクトのある音を放ち、ジョナサンのヴォーカルと見事に呼応
- 叩きのめされるようなインパクトのあるフレーズで畳みかけるリズム隊
不穏な雰囲気を漂わせるサウンドの中に、キャッチーで印象的な歌メロを溶け込ませるアレンジが秀逸です。
依然、中毒性の高いヘヴィ・ロック。
リピート率が高くなること間違いなしです。
引き込まれます。
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