IRON SAVIOR『FIRESTAR』のレビューです。
2023年10月4日リリース。
オリジナル・アルバムでは2020年の『SKYCREST』以来3年ぶりとなります。
- ピート・シールク<Vo/G>の野太いリードVo
- 勇ましいバックVo
- ストライクなフレーズ多数の演奏パート
上記がかっこよく呼応しあう力作です。
変化球なし。
速度は変えるものの配球は全部ストレート。
迷いなしの硬質サウンドが貫かれています。
【メンバー】
ピート・シールク<Vo/G>
ヨアヒム“ピーゼル”キュストナー<G>
ヤン=セレン・エッカート<B>
パトリック・クローゼ<Ds>
以下の9曲がおすすめです。
1. The Titan
序曲です。
NIGHTWISH「Ghost Love Score」(2004年5th『ONCE』収録)の05:34~に通じるフレーズがスタートから繰り返され、01:01からは劇的度がアップ。
次の曲への期待が高まります。
さあピート、どう来る?
2. Curse Of The Machinery
疾走で攻めてきてくれました。
しかもバスドラ連打。
最高です。
00:47から高揚感が増し、01:01でサビに突入するのですが、ピートの「Curse!」とバックVoのかけ声がキマッてます。
02:49からのギター・ソロは徐々にヒートアップさせる展開。
03:47からはパトリックのドラムも畳みかけてきてよりエキサイティングになります。
ソロ直後は、
- 03:52~ ピート、背中を押してくれるような歌メロ
- 04:21~ パトリックのカウント → ピート、音域を下げる
という流れで魅せます。
3. In The Realm Of Heavy Metal
00:40~や01:02~など、ピートの熱唱に絡まるバックVoがパワフル。
02:32~の演奏パートも緊張感あふれる展開をみせます。
その前(02:28~)に衝撃音を入れるあたりにもアレンジのうまさを感じますね。
03:36~の歌声がカイ・ハンセンっぽく聞こえるのもちょっと面白いです(ミュージック・ビデオを見たところ、ピートのVoでした)。
04:07からは漢コーラスが重なり、一体感がマシマシ。
歌詞の「unite」と音像が見事に一致しています。
4. Demise Of The Tyrant
骨太でリズミカルに進行。
ピートの声の太さが際立つ頼もしいナンバーです。
01:00~のサビでは「De~mise」と少し伸ばし「of the tyrant」でやや早口に。
曲名を歌い分ける唱法が秀逸です。
「Curse Of The Machinery」から少しずつ速度を緩めてきましたが、次のアルバム表題曲「Firestar」で再加速します。
5. Firestar
バスドラ連打+疾走。
01:28~のキャッチーな「My time has co~~me」と、直後に続くギターにガッツポーズです。
2回目の「My time has co~~me」(02:42~)の後のギターもいいですね。
1回目より音域を下げて展開し、速弾きも絡めてエキサイティングに進行します。
いったん低いVoで攻める03:35~もかっこいい。
全体的に「Starlight」(2011年7th『THE LANDING』収録)を連想させます。
7. Mask, Cloak And Sword
バスドラ連打を軸にシャープに進行します。
サビ(00:41~)では雄々しいメロディがたくさん。
01:00でストップ → ピートの「attack!」(エコーがかかるところがまた◎) → 演奏再開という流れにも引き込まれます。
02:01ではピートが「atta~~ck」と伸ばしてギター・ソロへ。
エネルギッシュかつメロディックに進行します。
03:45からは音域を下げながら「attack」。
ピートの異なる「attack」もツボです。
8. Across The Wastelands
ピートのVoはハンズィ・キアシュ<Vo:BLIND GUARDIAN>を思わせるところがありますが、この曲では特にそう。
歌い出し(00:43~)からハンズィですし、バックVoの味付けもBLIND GUARDIANっぽいです(「もしかしてハンズィが参加?」と思いググりましたが、その情報はなし…)。
曲そのものは渋い雰囲気でスタートし、00:16から躍動感のある展開。
テコテコしたサウンドが心地良いです。
あとは以下の流れがグッドです。
- 03:28~ 染みるギター
- 03:45~ 曲の最初のフレーズ再登場+キーボード
9. Rising From Ashes
ANNIHILATORのようにスラッシーに進行し、ピートの歌が入ると少しギラギラ&フワフワ。
そしてサビ(01:12~)から光が差し込み、希望に満ちあふれるメロディが進行します。
01:26~のバック・コーラスも心地良いですね。
02:50~の「aga~~in」 → ドラム連打 → エフェクトVo → ギター・ソロへの流れもかっこいい。
ギター・ソロは03:43から共感度がアップします。
11. Together As One
HALFORD「Made In Hell」(2000年1st『RESURRECTION』収録)の00:00~を少し速めたような演奏でスタート。
ピートの高音域の歌唱+要所要所にかっこいいバックVoのスタイルで進行していきます。
サビ(01:07~)では大団円的なメロディがずっと続き、01:34からは「Together as o~~ne」。
曲名を伸ばす歌い方がかっこいいです。
ギター・ソロはドライな音質によるメロディックな攻め。
03:30からが特に胸に響きます。
04:04~も見事。
ストリングスが前面に出始めて、それまでとは違うハーモニーで魅了します。
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