HALESTORMが5thアルバム『BACK FROM THE DEAD』を2022年5月11日にリリースしました。
リジー・ヘイル<Vo/G>のパワフルなパフォーマンスが光る作品ですので、本記事でおすすめします。
『BACK FROM THE DEAD』には以下のような特徴があります。
- へヴィな曲はスロー・テンポ中心。「Wicked Ways」で加速するパートがある程度
- 「Wicked Ways」の加速パートはあるものの、2012年2nd『THE STRANGE CASE OF…』の「Love Bites (So Do I)」、2015年3rd『INTO THE WILD LIFE』の「Mayhem」、2018年4th『VICIOUS』の「Uncomfortable」ようなアップ・テンポ・ナンバーはなし
- とはいえ、リジーの喉のすごさに圧倒される場面多数
- 特にアタマ2曲「Back From The Dead」と「Wicked Ways」は強烈
- バラードは「Terrible Things」と「Raise Your Horns」の2曲。絶品
『BACK FROM THE DEAD』の収録曲とおすすめ曲
以下の太字の8曲がおすすめですので、各曲の特徴を紹介していきます。
■HALESTORM/BACK FROM THE DEAD (2022年)
- Back From The Dead
- Wicked Ways
- Strange Girl
- Brightside
- The Steeple
- Terrible Things
- My Redemption
- Bombshell
- I Come First
- Psycho Crazy
- Raise Your Horns
メンバー
- リジー・ヘイル<Vo/G>
- ジョー・ホッティンジャー<G>
- ジョシュ・スミス<B>
- アージェイ・ヘイル<Ds>
おすすめ曲のレビュー
レビュー内に記載されている時間は、曲をフル再生した場合の表記です。
1. Back From The Dead
大迫力のナンバー。
劇的でヘヴィなイントロ、リジー・ヘイル<Vo/G>のエネルギー全開の力強いヴォーカル…最初からすさまじいです。
リジー、すごい声量ですし、存在感もハンパない。
ヘヴィなリフが刻まれていく曲調の中でエネルギッシュな歌唱を繰り広げます。
02:11からのギター・ソロもエネルギッシュでスリリングですし、02:28でリジーの声にエフェクト処理をかけて、その後の熱唱(ここもすごい!)に流れていく構成も圧巻。
ヘヴィなだけでなく、程良くドラマティックさが加わったサウンドがまたエキサイティングです。
2. Wicked Ways
「Back From The Dead」系統のナンバーで、こちらはリジーのパワフルな歌(サビのメロディ)からスタートします。
そして劇的ヘヴィ・サウンドが展開。
加速を絡めたアージェイ・ヘイル<Ds>のアグレッシヴなドラムが刺激的です。
00:48からのサビでのリジーのエモーショナルな歌唱は圧巻。
02:03からのちょっと狂気じみた感じのヴォーカルもパンチ力がありますね。
リジーの喉の強靭さを実感できる激重ナンバーです。
「Back From The Dead」同様、ヘヴィでドラマティックで熱い。
『BACK FROM THE DEAD』は「Back From The Dead」とこの「Wicked Ways」のアタマ2曲が特に強烈です。
5. The Steeple
ハードなリフ+印象的なメロディックなフレーズでスタート。
リジーはパワフルさを維持しながらも少しメロディックな歌唱を披露。
00:39からのサビでのメロディ展開は聴いていて心地よいです。
安心感を得られます。
エモーショナルなギター・ソロに移行する前にオープニングのメロディックなギター再び登場させるところ(02:02~)もいいですね。
曲の最後(03:15~)のリジーの声の伸びも素晴らしいです。
6. Terrible Things
『BACK FROM THE DEAD』には感動的なバラードが2曲ありますが、その1つがこの「Terrible Things」。
切ない曲調の中でリジーの物悲しい歌メロが響き渡ります。
所々で美しいハーモニーを被せながら低音域~中音域中心で展開していくリジーの歌が素晴らしいです。
特に01:52(2番のサビ)からの流れは絶品。
うっとりします。
02:45で高音域の歌唱になり、その後中音域に戻るアプローチも秀逸。
全体的に2012年2nd『THE STRANGE CASE OF…』収録の名バラード「Break In」を想起させます。
7. My Redemption
グルーヴ感のあるナンバーでリジーのリズミカルかつパワフルなヴォーカルを軸に進んでいきます。
この「My Redemption」は02:16で浮遊感を漂わせるところが面白いですね。
ここではリジーは低いトーンのヴォーカルになります。
そしてヘヴィな演奏が再開。
再び熱唱が繰り広げられます。
このまま突き進むかと思ったら、そうではなく、ヘヴィな演奏がピタッと止まり、リジーの低音域の歌唱で終わります。
低音域とエネルギッシュなヴォーカルの切り替えが見事。
本当に表現の幅が広いです。
9. I Come First
ちょっとメルヘンチックに始まりヘヴィかつメロディアスに進行していくナンバー。
よくライヴで最後に演奏される「I Miss The Misery」(『THE STRANGE CASE OF…』収録)を想起せます。
エネルギッシュさを保ちつつメロディアスさも前面に出した歌と演奏が見事。
「I Come First」を聴くと「I Miss The Misery」が聴きたくなり、「I Miss The Misery」を聴くと「I Come First」が聴きたくなります。
10. Psycho Crazy
最初はリジーの歪んだような歌唱で始まり、00:39からはエネルギッシュに。
ハードかつメロディアスなギターとリジーの熱唱が見事に呼応しています。
聴きどころは02:03から。
徐々にクレイジーさを増すリジーのヴォーカルが圧巻。
いい感じに暴れるアージェイのドラムもエキサイティングです。
リジーは、02:38でささやくような感じになって、またキレッキレになります。
このパフォーマンスもかっこいいです。
11. Raise Your Horns
『BACK FROM THE DEAD』収録のもう1つのバラードがこの「Raise Your Horns」。
アルバムのラストです。
ピアノとリジーの歌で構成される絶品のナンバー。
美しく物悲しく、エモーショナル。
感動的な歌メロが全身に染みこんできます。
02:24からキーが上がっていき、徐々にパワフルさが増すところは特に圧巻。
HEARTのアン・ウィルソン<Vo>のようなすごいオーラです。
総評
HALESTORMの『BACK FROM THE DEAD』の聴きどころを紹介しました。
パワフルな作風でリジー・ヘイル<Vo/G>の歌唱力が光ります。
ヘヴィな曲ではエネルギッシュなヴォーカルで、バラードでは幅広い歌唱で魅了します。
バラードは2曲ですが「Terrible Things」ではじっくり聴かせ、「Raise Your Horns」では徐々にテンションを上げるエモーショナルなヴォーカルが圧巻。
見事です。
「Back From The Dead」「Wicked Ways」のようにドラマティックさが少し加味されたヘヴィな曲があるのも魅力的なポイント。
この「Back From The Dead」「Wicked Ways」は強烈です。
ヘヴィなナンバーはスロー・テンポ中心ですが、パンチ力のある「Back From The Dead」「Wicked Ways」をはじめ、リジーのパワフルな歌唱に圧倒される場面が多いので、聴き終えた後はやはり充実感に包まれます。
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