ECLIPSEの9作目『MEGALOMANIUM』のレビューです。
2023年9月1日にリリースされました。
これまで良質の作品を提供し続けているECLIPSEですが、今回もすばらしい。
コンパクトな曲の長さの中で高品質のメロディが舞います。
特に2曲目「Got It!」は最高。
即効性があり、ここでもう虜になります。
9曲目「High Road」ではヴィクター・クルスナー<B>がリード・ヴォーカルを担当。
こちらもかっこいいです。
【メンバー】
エリック・モーテンソン<Vo/G>
マグナス・ヘンリクソン<G>
ヴィクター・クルスナー<B>
フィリップ・クルスナー<Ds>
以下の9曲がおすすめです。
1. The Hardest Part Is Losing You
- 00:00~ ちょっとDIZZY MIZZ LIZZY「Amelia Part 5: Alter Echo」(2020年4th『ALTER ECHO』収録)っぽい
- 00:09~ ドラムが入り、グルーヴィな演奏
- 00:48~ 魅力的なハーモニーを伴って「The hardest part is losing you」。以降、エリックのリードVoにハーモニーが適度な感覚で重なる
- 02:16~ スローになって、ギター・ソロ。テンポに合わせて、じっくりとフレーズを放つ
- 02:42~ 「I’m losing you~~」と高音域に向かって伸びる
等身大のエリックのVoとハーモニーのコンビネーションがすばらしいです。
優しさとかっこよさが同居したメロディアス・ハード・ロック。
ウォーミングアップ的なオープニング・ナンバーです。
2. Got It!
- 00:00~ クールなギター
- 00:03~ ドラムが暴れて、エリックが高音域で「ウォ~~~!」
- 00:28~ 何度も頷きたくなる歌メロ
- 00:48~ いったんスローに
- 00:54~ 演奏が止まりエリックが「Cause…」 → 気分を上昇させるサビ → ガッツある「Got it!」
- 02:13~ ドラムが再度暴れて、エリックの「ヨ~~!」 → ハイテンションのギター・ソロ
「The Hardest Part Is Losing You」は準備運動的な感じでしたが、そこから数段階スキップしてかっ飛ばします。
エリックの歌が入る00:28からは「そうそう、これ!これ!」となり、心地良いヘッドバンギング状態になるでしょう。
00:03に似た流れを02:13に配置して、ギター・ソロに移行する構成も見事。
極上ハイエナジー・ナンバーです。
3. Anthem
- 00:00~ 渋い&感傷的。00:16からは冷風が吹き抜ける
- 00:23~ ドラムがドンドコ → ゴージャスでありながらも切ないサビ
- 00:52~ 叙情的な演奏+美しいハーモニーを伴ったVo
- 01:10~ スネアの連打 → サビ
- 02:17~ エリックの歌が高音域に
- 02:22~ ギター・ソロ。中音域で哀愁フレーズがグルグル
- 02:50~ Voにエコーがかかる → スネア連打 → サビ
静 → 動の流れがすばらしいメロディアス・ナンバーです。
インパクトのあるドラムを入れてからサビに流れる構成がいいですね。
02:22~も絶品。
直前のエリックのVoより低い音域で攻めるアプローチが効いていて、ソロが始まった瞬間にゾクッとします。
5. Hearts Collide
- 00:00~ 哀愁ギター
- 00:14~ 哀愁コーラス
- 00:43~ 少し力強さが伴ってサビ。センチメンタルな雰囲気は適度に残す
- 01:23~ サビ+ゴージャスなバックVo。1番になかったアプローチ
- 01:42~ ドライな音質でのギター・ソロ。01:49から少しだけエリックのVo
- 01:57~ やや混沌。刺激的
哀愁メロディが光るナンバーです。
サビでは少しハードになりつつも、切なさはキープ。
この力加減が絶妙です。
ギター・ソロの途中にちょろっとエリックのVoが入る01:49~もいいアクセントですし、雰囲気が変わる01:57~も面白いです。
6. I Don’t Get It
- 00:00~ ハードで切れ味抜群のギター
- 00:04~ 歪んだ声と共にヘヴィな演奏へ
- 00:21~ エリックの歌のバックでテカテカ
- 00:48~ 「No, no」 → ガッツあるサビ
- 01:50~ エリックが高音域で「No~~!」 → ヒステリックなギター
- 02:02~ フレーズが速くなる
随所で聞かれる「No」が印象的ですね。
2回入れたり、伸ばしたりと印象的な唱法を絡めます。
サビではゴージャスなバックVoを適度に被せる攻めが見事ですし、ギター・ソロでは刺激的な旋律を加速していく奏法が光ります。
7. The Broken
- 00:00~ ギターもエリックの歌も一歩引いた感じ
- 00:39~ メロディアスになってサビ
- 00:57~ どんより but クールなコーラス
- 01:46~ ギター・ソロ。高音域でグイグイ
- 01:55~ どんより but クールなコーラス
少し冷めた感じで進み、サビからメロディアスになります。
清涼感がありながらもサビ前の空気を継承したコーラスがなかなか快感。
サビだけでなくギター・ソロの途中にも配置します。
ソロそのものも中音域Voの直後に高音域で展開。
対照的な構成が面白いです。
8. So Long, Farewell, Goodbye
- 00:03~ エキサイティングにシャカシャカ
- 00:12~ エリックのアツい合図と共に出発進行
- 00:47~ 力強くハモる
- 01:04~ 躍動感のあるサビ。リズミカルに曲名を歌う
- 02:24~ ギター・ソロ。速弾きを絡めながらエネルギッシュに展開
- 03:03~ エリックが高音域で「Goodbye~!」
- 03:20~ 今度は「Goodbye…」と音域を下げる → ブレイク → 演奏再開+「Oh yeah~!」
曲のタイトルからバラードを想定しがちですが、全く逆。
活力がみなぎるメロディアス・ナンバーです。
03:03~と03:20~の「Goodbye」もいいですね。
特に03:20~は軽くガッツポーズです。
9. High Road
ベーシストのヴィクターがリード・ヴォーカルです。
- 00:00~ 神秘的にポコポコ・キラキラ
- 00:12~ ドライヴ感のある演奏
- 00:25~ ヴィクターが歌い始める。エリックの声を少し野太くした感じ
- 00:52~ サビ。キャッチーな「Hi~~gh road」。バックではメロディックなギター。01:02からは軽く哀愁オーラを出しながら「I’ll lead you follow」
- 02:06~ 訴えかけるように「Until the end」 → ギター・ソロ。ドライかつグルーヴィな音質で展開
やや野性的ともとれるヴィクターの声質が生かされています。
エネルギッシュな唱法を軸としながらも切なさをチラつかせるメロディがすばらしい。
「I’ll lead you follow」「Until the end」がそうですね。
ギター・ソロの音質もヴィクターの声と釣り合っています。
10. One Step Closer To You
- 00:00~ 「High Road」のギター・ソロのような音質
- 00:07~ 骨太で包容力のある演奏にホッとする
- 00:21~ 安堵感に満たされるVo+ヴィクターの心地良いベース
- 00:31~ エリック、熱量を上げて「One step closer to you」
- 00:49~ サビ。共感度の高いガッツあるメロディ
- 01:42~ かっこいいバックVoが重なる
- 02:04~ 00:00~の音質でギター・ソロ
- 02:20~ 音が歪んで…
- 02:26~ サビ
ヴィクターが歌った「High Road」の残像が感じられて面白いです。
00:00~や02:04~がそうですし、00:21ではベースが前面に出ていますね。
力強く厚いハーモニーを絡めたサビもさすが。
01:42~や02:20~もナイスなアレンジです。
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