ジャーマン・スラッシュ・メタルの最重要バンドの1つ、DESTRUCTIONが15作目『DIABOLICAL』を2022年4月8日にリリースしました。
オリジナル・メンバーだったマイク<G>が脱退してから初の作品ですが、シャープかつメロディックなツイン・ギターを軸とした聴き応えのあるサウンドとなっています。
パワフルです。
おすすめ曲を挙げながら、聴きどころを紹介していきます。
『DIABOLICAL』の収録曲とおすすめ曲
以下の太字の10曲がおすすめです。
■DESTRUCTION/DIABOLICAL (2022年)
- Under The Spell
- Diabolical
- No Faith In Humanity
- Repent Your Sins
- Hope Dies Last
- The Last Of A Dying Breed
- State Of Apathy
- Tormented Soul
- Servant Of The Beast
- The Lonely Wolf
- Ghost From The Past
- Whorefication
- City Baby Attacked By Rats (GBH cover)
メンバー
- シュミーア<Vo/B>
- ダミア<G>
- マーティン・フュリア<G>
- ランディ・ブラック<Ds>
おすすめ曲のレビュー
レビュー内に記載されている時間は、曲をフル再生した場合の表記です。
2. Diabolical
00:10からシュミーア<Vo/B>がハイトーンのスクリームを聴かせますが、これだけで気合が入ります。
ブルータルな声が入り本編に突入するのですが、この流れがまた最高。
そして鋭いリフを刻みながら突進します。
ヒステリックなシャウトをしながら時折吐き捨てるような唱法をみせるシュミーアのパフォーマンスは迫力満点ですし、所々で登場する力強いかけ声がまたパンチ力抜群。
02:36の吐き捨てからスリリングなギター・ソロへの流れも必聴です。
これ以降、ギターがシュミーアのシャウトと絶妙なコンビネーションをみせます。
3. No Faith In Humanity
シャープなリフ、パワフルなかけ声、そして疾走。
迫力満点です。
展開をみせる前に放たれるギターのフレーズが印象的。
疾走する前の00:31や、シュミーアのヴォーカルが入る前の00:50なんかがそうですね。
短時間のアプローチですがインパクト大。
鋭いジャブを突いてきます。
02:59からのメロディックかつ弾きまくりのギター・ソロも見事。
要所要所にバスドラの連打で畳みかけるランディ・ブラック<Ds>のドラムも聴いていてテンションが上がります。
4. Repent Your Sins
ブレイクを入れながら叩きつけるランディのクールなドラムでスタート。
骨太で弾力性のある曲調で、そこにシュミーアのリズミカルなヴォーカルが乗ります。
ブルータルさを漂わせて吐き捨てを絡めながら、ノリノリで進行していくシュミーアの歌がなかなか快感。
パワフルなかけ声も被さり、体を動かしたくなる衝動に駆られます。
拳も振り上げたくなりますね。
04:01からはシュミーアのハイトーン、そしてそれに呼応するかのようにヒステリックなギター・フレーズが追いかけてきます。
それまでの歌からは考えられないようなハイトーンがいきなり登場するのもDESTRUCTIONの魅力ですね。
5. Hope Dies Last
再び突っ走ります。
00:21からの弾きまくりのギターがスリリングでいいですね。
01:03からのバスドラの連打とかけ声がかっこよくキマッていて、シュミーアのヒステリックな歌唱も圧巻。
01:23では「いきなりハイトーン」のシャウトも聴けて、うれしくてニヤニヤです。
02:27からのギター・ソロもキレキレでエキサイティング。
歌と演奏の暴れ具合がいい感じな爆走スラッシュ・ナンバーです。
6. The Last Of A Dying Breed
00:09からの「ウィーン」「ウィーン」と唸るギターでテンションが上がります。
00:38からスピードアップしますが、ここでのシュミーアが程良くクレイジーで最高。
声がひっくり返りそうでひっくり返らず、でも興奮度を高めてくる唱法です。
ガッツあるかけ声も要所要所でかっこよく被さります。
ギターは攻撃性を維持しながらメロディックなフレーズも強調。
シュミーアの勢いあるな歌唱と見事に呼応しています。
アグレッシヴな曲調の中でギターのメロディアスなアプローチが光るスラッシュ・チューンです。
7. State Of Apathy
突進力のあるナンバーでシュミーアのパフォーマンスが光ります。
出だしのハイトーンはやっぱニヤニヤしちゃいますし、00:21からは吐き捨てヴォーカルを軸に進行。
ブルータルさが出ていて迫力があります。
01:38で一瞬音程がいきなり上がるのもいいですね。
メロディックなフレーズを絡めて、ギター・ソロに流れていく02:00からの流れも素晴らしい。
ランディのクールなドラミングからシュミーアのブルータルなシャウトと共に演奏のヒステリック度が増す02:48からの流れもエキサイティングです。
8. Tormented Soul
グルーヴィなメタル・チューン。
シャープなギター・リフがザクザク刻まれながら曲が進んでいきます。
シュミーアは吐き捨てながら、ブルータルさも漂わせる唱法でエキサイトさせてくれます。
曲のタイトルをコールし、その後にメロディックなギター・フレーズを続ける構成(01:16~)が印象的。
ジワジワきます。
鋭角さもちゃんと維持しながら、メロディックに攻める手法がかっこいいです。
10. The Lonely Wolf
鋭くそしてメロディアスなフレーズを放つギターがキマッてます。
ドコドコし続けるランディのバスドラも程良い突進力があってナイス。
シュミーアはヒステリックさは抑えめで、アグレッシヴさを保ちながら歌っています。
ギターも歌もメロディが強調されたグルーヴ・メタルです。
11. Ghost From The Past
疾走曲。
アグレッシヴに突っ走るランディのドラムがかっこいいです。
シュミーアは吐き捨て&ブルータル。
力強いかけ声もあり。
ギターもエネルギッシュなプレイで呼応します。
00:21~、01:02~なんかはパンチ力があり、曲調と見事にマッチしています。
01:50からのギター・ソロもハイテンション。
02:14からは「ウィーン」「ウィーン」していて、聴いていて気持ち良くなります。
クレイジーさが増す02:49からのプレイもいいですね。
12. Whorefication
00:06からのメロディックなギター・フレーズが印象的。
これが曲中繰り返されます。
爆走といった感じではなく、鋭く進む感じのナンバー。
芯の太いシュミーアの声による吐き捨てヴォーカルが進んでいき、曲のタイトルが力強くコールされます。
攻撃度は本編ラストにしては意外と緩めですが、曲自体はかっこいいです。
総評
DESTRUCTIONの『DIABOLICAL』を紹介しました。
4人編成(ツイン・ギター体制)、マイク<G>脱退後初の作品ですが、内容の濃いスラッシュ・メタル・アルバムになりました。
ダミア<G>とマーティン・フュリア<G>のギターはアグレッシヴさを保ちつつ、要所要所でメロディックなフレーズで魅了します。
見事です。
シュミーア<Vo/B>のヒステリック、ブルータル、吐き捨てを使い分ける独特な唱法も健在。
すごいオーラです。
いきなりハイトーンをみせるのもシュミーアならでは。
普通なら「何でこうなるかな?」なのですが、「このバンドはこれでいいんだ」と思わせてしまうところにDESTRUCTIONのすごさを感じます。
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