スウェーデンのメロディアス・ハード・ロック・バンド、DEGREEDの6作目『ARE YOU READY』が2022年2月11日にリリースされました。
これまでの全作品も高品質でしたが、この『ARE YOU READY』はすごい。
全曲おすすめですので、各曲の特徴を紹介していきます。
また過去の曲もそうですが、曲のタイトルがシンプルなのもDEGREEDの魅力の1つ。
『ARE YOU READY』の曲も覚えやすい表題ばかりです。
『ARE YOU READY』の収録曲
■DEGREED/ARE YOU READY (2022年)
- Into The Fire
- Higher
- Feed The Lie
- Radio
- Are You Ready
- Burning
- Falling Down
- Lost In Paradise
- Turn Back
- We Will Win
- Desire
メンバー
- ロビン・エリクソン<Vo/B>
- ダニエル・ヨハンソン<G>
- マッツ・エリクソン<Ds>
- ミカエル・ブランク<Key>
収録曲のレビュー
レビュー内に記載されている時間は、曲をフル再生した場合の表記です。
1. Into The Fire
頭に焼きつきやすい「Fire, fire!」のかけ声でスタートするリズミカルなハード・ロック。
DEGREEDらしいダイナミズムに満ちたサウンドを軸にゴージャスなメロディが展開されます。
ロビン・エリクソン<Vo/B>のエネルギッシュなヴォーカルと「Fire, fire!」のキャッチーなコーラスの絡みが心地良い。
02:14のマッツ・エリクソン<Ds>のスリリングなドラムからダニエル・ヨハンソン<G>のギター・ソロに流れるところもエキサイティングです。
2. Higher
重厚なリフの上にメロディックなフレーズが乗るイントロでやられます。
- 00:15~ 渋みを効かせたロビンの歌唱
- 00:45~ キャッチーなコーラスが被さる
- 00:59~ ダイナミックなサビへ
…という最高の展開です。
02:13から雰囲気を変えて演奏パートに突入しますが、特に02:43からのダニエルのギター・ソロがエネルギッシュでかっこいいです。
03:34からのロビンのハイトーンも圧巻。
そして、その後ろで鳴り響くミカエル・ブランク<Key>のキーボードがまた切なく美しい。
3. Feed The Lie
ハードでエッジの効いたリフを軸に突き進む勢いに満ちたナンバー。
00:42からの躍動感にあふれるサビのメロディが心地良く響いてきます。
02:04から顕著になりますが、美しい音色で楽曲を支えるミカエルのキーボードが素晴らしい。
そのミカエルのキーボードをバックに…
- 02:27~ ロビンの渋めの歌唱、
- 02:32~ 重厚な演奏が被さり、ダイナミックなコーラスが入ってくる
…というエキサイティングな体験をできます。
03:12からダニエルがシャープなリフを刻み続けてエンディングに向かう構成も最高です。
4. Radio
長さ4分50秒。
『ARE YOU READY』収録曲の中で一番長い曲で、多くの展開を持つナンバーです。
00:34からがサビですが、ダイナミックでキャッチーなメロディが秀逸。
序盤はストリングスの効いたミステリアスな演奏をバックにロビンの表現力豊かなヴォーカルとキャッチーなメロディが展開していきます。
01:56からの演奏が絶品。
- 02:07~ 劇的さが増加
- 02:30~ ハードかつメロディアスなダニエルのギターが被さる、ミカエルのキーボードも躍動感を増す
- 02:53~ 哀愁コーラス
- 03:15~ ダニエルのメロディックなギター・ソロ(絶品)
すごすぎます。
04:00からシンフォニックさを増すアレンジも鳥肌モノです。
濃厚なドラマティック・メロディアス・ハード。
引き込まれます。
5. Are You Ready
最初はダニエルのブルージーなギター+ロビンの渋めの歌唱。
00:31からダイナミックな演奏、00:41からゴージャスなサビという流れですが、この分厚いサビのコーラスが絶品。
聴いていてやる気がみなぎってくるようなメロディです。
この極上メロディが何度か繰り返されます。
01:49からはエモーショナルな演奏パートに入り、02:09からはさらにテンションが上がります。
スリリングさを増していく展開がナイス。
そしてパワフルなサビに戻り、最後は出だしのブルージーな感じで終わります。
非常に練られた構成です。
6. Burning
重厚なリフを軸に展開するドライヴ感あふれる骨太ナンバー。
いったんブレイクを入れて00:52からサビに移るアプローチが最高。
サビそのものも爽快感に満ちたメロディで、そこにキャッチーなコーラスが重なるという絶品のアレンジです。
02:13からのダニエルのギター・ソロもポジティヴな雰囲気が前面に出ていて魅力的なフレーズが満載。
FAIR WARNINGをよりダイナミックにしたような感じで、活力をもらえる音像です。
7. Falling Down
爆発力に満ちたエキサイティングなメロディアス・ナンバー。
ロビンの切なさを感じるメロディアスなヴォーカルからガツンとしたパワフルなサビへという流れを持つ曲で、サビ前とサビでのロビンの緩急をつけた唱法が見事。
02:13からのミカエルの躍動感のあるキーボードとダニエルのハードなギターによる演奏パートもフックがあり、02:33からのヴォーカルにエフェクト処理を絡めるあたりにもアレンジのうまさがうかがえます。
先行公開されていた「Falling Down」ですが、「Into The Fire」から通しで聴くと、この曲順(アルバム7曲目)にぴったりですね。
8. Lost In Paradise
ダイナミックでノリの良いメロディアス・ナンバー。
爆発力のあるイントロからリズミカルに進む00:31までの展開でもうワクワクです。
01:18からのサビではロビンのエネルギッシュで堂々とした歌唱が光ります。
バックでダイナミックなフレーズを放つキーボードがさらに興奮を高めてくれます。
2回目のサビに入る前(01:50~)のマッツのドラムもインパクトがありますね。
02:25からの演奏パートにもドキドキ。
スリリングなフレーズで攻めてきて、絶品のサビ再びという流れにエキサイトさせられます。
9. Turn Back
郷愁感に満ちた曲。
序盤はロビンのソフトな歌唱とミカエルのキーボードが光ります。
00:54から演奏にダイナミックさが増し、絶品のサビのメロディが展開。
ロビンの伸びのあるヴォーカルが見事です。
02:23からはメロディ展開がやや変わり、ノスタルジックな要素が強めに出ます。
ここはいいアクセントですね。
そして、ブレイクを入れてサビに突入。
そのままサビに流れるのではなく、いったん一呼吸入れるヒネりが素晴らしいです。
03:17からはポジティヴなオーラ全開のギター・フレーズとコーラスとが被さります。
こういったアレンジ・センスもさすが。
10. We Will Win
ハードで厚みのあるダニエルのギター・サウンドを軸に展開するリズミカルなナンバー。
ダイナミズムに満ちたサビのメロディが絶品。
そしてそのサビの前に入る爆発音のようなSE(00:48~)が興奮度をさらに高めてくれます。
このSEが曲のインパクトを増大させています。
いいスパイスです。
02:05からの演奏パートもエキサイティング。
ミカエルの躍動感のあるキーボードとそれをバックに刻むダニエルのシャープなギターが見事に呼応しています。
11. Desire
00:32からのダニエルのギター・フレーズが刺さります。
曲が進むにつれて高揚感が増すロビンのヴォーカルのメロディ構成が素晴らしい。
01:21からは哀愁味を帯びた絶品のサビ。
そしてその後に最初のギター・フレーズ(00:32~)が再び流れてきます
01:56からのギター・ソロも、それまでの哀愁味を出しつつもひと味違ったフレーズで魅了。
02:14からのマッツのパワフルなドラミングもスリリングでいいアクセントになっています。
総評
DEGREEDの『ARE YOU READY』を紹介しました。
全曲キラー・チューンです。
スムーズに流れる曲順構成も見事。
「キャッチー」「ダイナミック」「ポジティヴ」「ノスタルジック」「聴きやすい」
そんな言葉が当てはまるメロディアス・ハード・ロックです。
曲のタイトルがシンプルなのも親しみやすさを感じる要因の1つ。
各曲がコンパクトな長さでありながらも、歌と演奏で魅了する濃密な構成。
だから繰り返し聴きたくなります。
何度も味わいたい興奮と感動がここにあります。
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