DEF LEPPARDの11作目『DIAMOND STAR HALOS』が2022年5月27日にリリースされました。
2015年の『DEF LEPPARD』以来、7年ぶりのオリジナル作品。
すごいアルバムです。
アタマ3曲(「Take What You Want」「Kick」「Fire It Up」)が先行公開されていましたが、「This Guitar」以降もいい曲ばっかり。
大満足の1枚です。
おすすめ曲をピックアップしながら、聴きどころを紹介していきます。
『DIAMOND STAR HALOS』の収録曲とおすすめ曲
以下の太字の13曲がおすすめです。
■DEF LEPPARD/DIAMOND STAR HALOS (2022年)
- Take What You Want
- Kick
- Fire It Up
- This Guitar (featuring Alison Krauss)
- SOS Emergency
- Liquid Dust
- U Rok Mi
- Goodbye For Good This Time
- All We Need
- Open Your Eyes
- Gimme A Kiss
- Angels (Can’t Help You Now)
- Lifeless (featuring Alison Krauss)
- Unbreakable
- From Here To Eternity
メンバー
- ジョー・エリオット<Vo>
- フィル・コリン<G>
- ヴィヴィアン・キャンベル<G>
- リック・サヴェージ<B>
- リック・アレン<Ds>
おすすめ曲のレビュー
レビュー内に記載されている時間は、曲をフル再生した場合の表記です。
1. Take What You Want
「さあ、始まりだ」的な出だしがまずかっこいい。
そして00:44からガッツあるギター・サウンド(1983年3作目『PYROMANIA』の1曲目「Rock! Rock! (Till You Drop)」っぽい)が被さって、01:00からジョー・エリオット<Vo>のヴォーカルが入っていきます。
ジョーは自分に合った音域でナチュラルかつエネルギッシュな歌唱を披露。
01:15でのハーモニーで「あ、もうヤバい」となり、01:31からのサビではさらに高揚感が増します。
最高です。
02:35からの展開も美しいですね。
ハードさと美しさを兼ね備えた見事なアプローチ。
軽く引っ張ってフェイントをかけたような終わり方(04:05~ラスト)も秀逸。
鋭いジャブをボディにもらったような感じですね。
そして次の「Kick」へと流れていきます。
この畳みかけ方がまた見事です。
オープニングからこのインパクトですからね。
すごいです。
2. Kick
抜群にかっこいい「Take What You Want」の勢いを引き継いで、リック・アレン<Ds>の力強いドラムを軸に進行。
フィル・コリン<G>とヴィヴィアン・キャンベル<G>が奏でるシャープなギターとキャッチーなコーラスが心地良く鳴り響きます。
01:05からの歌メロなんかは親近感がわきますね。
ダイナミックさが増した02:39のコーラスからエネルギッシュなギター・ソロ(02:52~)への流れも見事です。
3. Fire It Up
ほんわかしたサビのメロディでスタート。
優しさも感じられる魅力的な歌メロです。
やや早口言葉風に進行していくジョーのヴォーカル(00:30まで)が印象的。
00:30からコーラスが絡み、そして00:39からサビに流れていきます。
00:59での演奏はグルーヴィでかっこいいですし、01:59からのコーラスもポジティヴなエネルギーに満ちあふれていてナイス。
リズミカルで心地良いナンバーです。
4. This Guitar (featuring Alison Krauss)
『DIAMOND STAR HALOS』には、ロバート・プラント<Vo:LED ZEPPELIN>とのコラボで知られるアリソン・クラウスが2曲ゲスト参加していますが、その1曲。
円熟味のあるジョーのヴォーカルとアリソンの美声が見事にマッチしたバラード調のナンバーです。
00:41で聴かれるように、随所でアリソンの声が強調されるアレンジがいいですね。
前半は静かに進行。
02:10からエレキ・ギターが前面に出て、エモーショナルなソロ。
02:36でいったんまた静かになり、そして03:02からはストリングスが強調されていきます。
絶品の流れです。
5. SOS Emergency
ポジティヴな雰囲気に満ちたギターのフレーズが魅力的。
00:07~の箇所は1999年7作目『EUPHORIA』収録の「Promises」を思わせます。
00:29のキャッチーなコーラス(ここも「Promises」っぽい)は「これぞDEF LEPPARD」ですし、ちょっとノスタルジックな感じのジョーのヴォーカルがまたいい。
01:57からのギター・ソロも郷愁を感じさせるメロディで染みてきますね。
02:29で登場するサイレンのSE(←HM/HRでエキサイティングな効果音の1つ)もいいスパイスになっています。
ノスタルジーの度合いを強めた「Promises」といった感じです。
6. Liquid Dust
最高のメロディアス・ナンバー。
始まりのギターは2002年8作目『X』の「Scar」を想起させます。
曲は、懐かしさと安堵感を味わえるジョーの歌メロで進行。
そして絶品のサビ(01:01~)へと流れていきます。
グッときますね。
ストリングスが強調される01:41からの箇所にもアレンジのセンスが感じられます。
それまでの展開からは考えられない02:22からのパートもミステリアス。
ゴージャスなハーモニー(02:44~)を加えるところもすばらしいです。
ストリングスが再び前面に出てくる03:14からの構成もうれしい。
土臭いギターがフェードインしてきて、次の「U Rok Mi」につながります。
7. U Rok Mi
「Liquid Dust」の流れを引き継いで、渋い感じで進行。
00:23のかけ声が力強くていいですね。
2011年の『MIRROR BALL – LIVE & MORE』に収録されていたスタジオ曲「Undefeated」みたいでかっこいいです。
00:56からはエレクトリックに移行。
リズミカルかつダイナミックに進行していきます。
02:08で「Undefeated」なかけ声を再び組み込むアレンジも秀逸。
魅力的な歌メロとギターが絡む以下の流れも最高です。
- 02:16~ グルーヴィなギターにジョーの声が絡む
- 02:35~ エモーショナルなギター・ソロ
- 02:55~ ゴージャスな歌メロ。バックではメロディックなギターが鳴り続ける
8. Goodbye For Good This Time
最初のピアノでもうヤバいです。
ジョーの切ない歌メロを軸に進んでいき、00:55からストリングスが本格的に絡んできます。
そして01:39から美しいコーラスが入ってくるという最高の流れ。
劇的サウンドをバックにジョーが熱い歌唱を繰り広げる01:59からの構成もいいですね。
02:21からは、アコースティック・ギターとストリングスによる演奏パート(演奏バトルといってもいい)。
ドラマティックでスリリングです。
01:59の劇的+熱唱パートが再び登場し、キラキラしたピアノで終わる03:54からの構成も美しい。
「こんな感動を味わえるなんて!ありがとう、DEF LEPPARD!」です。
9. All We Need
1987年4作目『HYSTERIA』収録の「Armageddon It」に哀愁度を足したような感じ。
あるいは「Love And Affection」に通じる曲調です。
00:17でのギターなんか特にそうですね。
懐かしさを感じさせるジョーの歌メロに透明感のあるコーラスとメロディックなギターが絡む展開は聴いていて気持ちがいいです。
02:46からのギター・ソロも胸に響いてきます。
12. Angels (Can’t Help You Now)
「Goodbye For Good This Time」同様、ピアノとストリングスを取り入れたバラード。
この「Angels (Can’t Help You Now)」もいい曲です。
出だしが、映画『摩天楼はバラ色に』(原題:THE SECRET OF MY SUCESS/主演:マイケル・J・フォックス)のサウンドトラックに収録されていたRESTLESS HEARTの「Don’t Ask The Reason Why」に似ています。
00:18で聴かれるように、煌びやかなピアノのフレーズが素敵。
こういったアプローチが曲のあちこちでみられるのが「Angels (Can’t Help You Now)」の魅力です。
00:39から絡んでくるコーラスも分厚くて美しい。
このコーラスを機に徐々にストリングスが前面に出てきますが、02:03からリックのドラムが入るとさらに劇的になります。
ドラマティックな音像の中で展開する02:42からの情のこもったギター・ソロも見事ですし、04:27からのジョーの歌メロも高揚感が増していきます。
04:41からは「Goodbye For Good This Time」の終盤で聴かれたキラキラ・ピアノが登場。
「Goodbye For Good This Time」より長く鳴り響きます。
思ってもみなかった感動再び。
すばらしいです。
13. Lifeless (featuring Alison Krauss)
アリソン・クラウスが参加しているもう1曲がこの「Lifeless」。
こちらはカントリー調のナンバーで、和やかな歌メロが魅力的。
「This Guitar」でもアリソンの声を前面に出すアプローチが上手でしたが、ここでもその手法が光ります。
01:25からなんかは「おお!」となります。
02:27で希望を感じさせる歌メロが展開され、02:46からそのポジティブな雰囲気を継承したギター・ソロに移る構成もいいですね。
03:16で歌を絡めるあたりもうまい。
優しさあふれるサウンドに包み込まれながら曲は終わります。
14. Unbreakable
始まりが『EUPHORIA』収録の「Day After Day」を想起させます。
「Day After Day」をラフにしたような感じです。
このまま進行するかと思いきや、00:33からは、同じく『EUPHORIA』収録の「Back In Your Face」のようなダンサブルな感じに。
そして01:19からはノスタルジックなメロディが展開。
ジョーのナチュラルな歌唱と分厚いハーモニーが見事です。
02:27からのギター・ソロも説得力抜群。
魅力的なフレーズがどんどん体内に浸透してきます。
15. From Here To Eternity
本編ラストはブルージーかつドラマティックなナンバー。
渋い劇的サウンドの中で分厚く魅力的なコーラスを伴った歌メロが展開されていきます。
00:15からのメロディは絶品ですね。
これが曲中、何度も繰り返されます。
03:09からのギター・ソロも聴きどころ。
エモーショナルなフレーズで攻めつつ、03:24からはゴージャスなコーラスも絡めてきます。
ドキドキが「マシマシ」です。
そして再び熱いギター・ソロと共にフェードアウトしてアルバムは幕を閉じます。
総評
DEF LEPPARDの『DIAMOND STAR HALOS』を紹介しました。
傑作です。
これまでの代表曲を思わせる場面が多いのもうれしい。
- 「Take What You Want」…「Rock! Rock! (Till You Drop)」(1983年3作目『PYROMANIA』収録)
- 「SOS Emergency」…「Promises」(1999年7作目『EUPHORIA』収録)
- 「Liquid Dust」…「Scar」(2002年8作目『X』収録)
- 「U Rok Mi」…「Undefeated」(2011年『MIRROR BALL – LIVE & MORE』収録)
- 「All We Need」…「Armageddon It」「Love And Affection」(いずれも1987年4作目『HYSTERIA』収録)
- 「Unbreakable」…「Day After Day」「Back In Your Face」(いずれも『EUPHORIA』収録)
また、曲の流れが見事なのも魅力として挙げられます。
「Take What You Want」から「Kick」はガッツあふれますし、「Liquid Dust」から「U Rok Mi」につなげる構成も渋い。
あとはストリングスを本格的に駆使した「Goodbye For Good This Time」と「Angels (Can’t Help You Now)」ですね。
予想外の感動があなたを待ち受けています。
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