CYHRA『THE VERTIGO TRIGGER』

CYHRAの3rd『THE VERTIGO TRIGGER』のレビューです。

2023年8月18日にリリースされました。

歌も演奏も魅力的なメロディが満載の力作です。

幅広い音域による哀愁メロディがCYHRAの魅力の1つですが、今回もそれを堪能できます。

そんな中、中音域中心で攻めるナンバーが3曲。
「1.000.000 Fahrenheit」「Fear Of Missing Out」「Too Old For Fairy Tales」なのですが、この3曲が異彩を放っています。

さらに上記3曲とは別のキラー・チューンもあります。

【メンバー】
ジェイク・E<Vo/Key>
イエスパー・ストロムブラード<G>
エウゲ・ヴァロヴィルタ<G>
マーカス・スネソン<G>
アレックス・ランデンバーグ<Ds>

以下の8曲がおすすめです。

1. Ready To Rumble

  • 00:00~ 切迫感のあるデジタル的SE
  • 00:11~ 連打に気が引き締まる
  • 00:18~ ドカンとなって、鋭角的な演奏。00:22~のコ~ンと響くキーボードが心地良い

  • 00:34~ ジェイクのクリアなVo → 「ウォ・オ・オ・オ・オ・オ~」
  • 00:58~ 邪悪な「ready to rumble」がさりげなく加わる
  • 01:07~ サビ。00:34~のスタイルを踏襲。ジェイクの歌の後にキャッチーな「ready to rumble」

  • 02:19~ ギターがよりメロディックに
  • 02:34~ エモーショナルになり、02:41からは速弾きも絡める

00:00~00:18の流れにKOです。
緊迫感があってダイナミックでシャープ。

ジェイクの歌の後にキャッチーなメロディを続ける00:34~や01:07~の攻めも効いています。
00:58~もいいアクセントで、もろにではなく小音というのがまたいい。

進行していくにつれてヒートアップする02:19~のギターもかっこいいです。

2. Let’s Have My Story Told

  • 00:00~ ジリジリとしたギター+カウント
  • 00:09~ 躍動感のある演奏

  • 00:30~ ジェイク、エネルギーをセーブ気味のVo
  • 00:50~ ヘヴィなドラムが入ってダイナミズムが増す
  • 00:55~ 勢いが増して高品質のサビ。ドラマティックな音像の中でジェイクの歌声が伸びる。曲名をコールする01:13がまたかっこいい

  • 02:31~ 静かな演奏+ジェイクのソフトなVo。02:45からはジェイクの声が伸びて音域が上がる 
  • 02:51~ アレックスのかっこいいドラム → メロディックな演奏パート

  • 03:29~ サビにアレックスのバスドラ連打を絡ませる
  • 03:54~ 情のこもった高音域ギター

最初のジリジリ → 本格的演奏、00:30からの徐々に熱くなる展開、02:31~の静かなパートなど、緩急のつけ方が秀逸な劇的メロディック・メタルです。

03:54~のギターがまた響きますね。
これを最後に持ってくるところがまたニクい。

02:51や03:29など、アレックスのドラムもいいスパイスになっています。

4. 1.000.000 Fahrenheit

  • 00:00~ 混沌、不思議、予測不可
  • 00:08~ ドラムが加わりミスリアスに
  • 00:17~ 重厚な演奏

  • 00:34~ 演奏も歌もリズミカル
  • 00:52~ 少し暴れ気味
  • 00:56~ メロディックなサビ。中音域中心の歌メロ。派手さはないけど心地良い

  • 02:12~ 音がズレそうな感じのヘヴィなリフが快感

歌も演奏も音域を抑え気味で、ダークな雰囲気を漂わせながら進行します。

02:12でさらに視界不良になるところも面白い。

高音域の場面なしでも、ずっとエキサイトさせ続ける構成に脱帽です。

ジェイクが在籍していたAMARANTHE時代の「1.000.000 Lightyears」(2011年1st『AMARANTHE』収録)とタイトルが似ていますが、曲調は異なります。

5. Buried Alive

  • 00:00~ ノリ良く心地良く

  • 00:17~ ジェイクのソフトなVo+リズムがつかみにくい演奏
  • 00:34~ ジェイク、音域が上がっていき…
  • 00:42~ サビ。切ない歌メロが染みる

  • 02:14~ メロディックなギターが◎
  • 02:30~ キャッチーなコーラス
  • 02:43~ かっこいいコール → サビ

  • 03:20~ 02:30のコーラス
  • 03:38~ 「やばい、もう時間がない」的

哀愁あふれる歌メロに魅了されます。
サビや02:30のコーラスがそうですね。

特にサビは、その前が全体像のつかみにくい演奏なので、メロディのすばらしさが一層際立ちます。

いったん力を込めてからからサビに戻る02:43~のアレンジもうまい。

急展開をみせてエンディングに向かう03:38~も面白いです。

7. Life Is A Hurricane

  • 00:00~ 「Let’s Have My Story Told」のようなジリジリ・ギター → 音が迫ってきて…
  • 00:10~ ヘヴィな演奏(00:00がクリアになった音)…この曲の軸となるパート

  • 00:31~ ジェイクのVoはじっくり聴かせるスタイル
  • 00:53~ いったん引いて、ドラムが迫り…
  • 00:58~ 高揚感のあるサビ。01:17からはジェイクがかっこよく「Life is a hurricane」とキメて、00:10の演奏

  • 02:18~ ギター・ソロ。ヒステリック
  • 02:29~ フレーズが高音域になり、アレックスはバスドラ連打+ドンドン

  • 03:11~ 「Life is a hurricane」+バスドラ連打

2曲目「Let’s Have My Story Told」のように、ジリジリ → 本格的演奏への流れを踏みます。

心臓部となる00:10~がかっこいいですね。

サビではジェイクが曲目をコールした直後に00:10~のパート。
メロディックな歌の後にドカンときます。

バスドラ連打を絡めるアレックスのパフォーマンス(02:29~、03:11~)もエキサイティング。
これも「Let’s Have My Story Told」でみられたアプローチです。

9. Fear Of Missing Out

  • 00:00~ ジリジリ
  • 00:09~ 本格的演奏。スローで骨太

  • 00:21~ ジェイク、少しゆがみながらゆっくり歌う。00:31から演奏に劇的さが加味
  • 00:41~ ヘヴィなリフが前面に
  • 00:49~ サビ。ダークな空気の中、ジェイクの歌声が伸びる

  • 02:25~ メロディックなフレーズが演奏にうまく溶け込む
  • 02:41~ ちょっと熱量が上がり、02:46から再びジリジリ

  • 02:54~ ジェイクの音域が少し上がる
  • 03:15~ ジェイク、高音域になり、かなり伸びる

「Let’s Have My Story Told」「Life Is A Hurricane」に続き、「ジリジリ → 本格演奏」第3弾です。

曲そのものは「1.000.000 Fahrenheit」のように中音域で攻めるスタイル。

どんよりとした音像の中で魅力的なメロディが放たれます。

高音域はなしかと思っていたら、02:54からジェイクが魅了。
特に03:15~は圧巻です。

10. Ashlight

冒頭に書いたキラー・チューンです。

  • 00:00~ 物悲しくキラキラ
  • 00:04~ ジェイクがささやく

  • 00:22~ ジェイク、透明感のあるVo
  • 00:56~ 絶品のサビ。切なく美しい歌メロ。「Ashli~~ght」と伸ばすところがまた最高

  • 02:45~ 雰囲気が変わり、ヘヴィなリフがドカン
  • 03:03~ シャカシャカ
  • 03:07~ ミステリアスかつメロディックなギター
  • 03:25~ 音が迫ってきて、サビへ

  • 04:01~ ジェイク、高音域の歌メロ。04:32でさらに音域が上がる

最高級のサビにKOです。
極上の歌メロが波のように押し寄せてきます。

02:45~の演奏パートも面白い。
サビの流れから哀愁ギター・ソロを予想しがちですが、想定外の攻めを仕掛けてきます。

あとは04:01~ですね。
ジェイクの高音による段階的アプローチに拍手です。

11. Too Old For Fairy Tales

  • 00:00~ 重厚でドラマティック
  • 00:20~ 演奏に鋭角さが増し、ジェイクが歌い始める。適度に顔を出すキーボードがいいアクセント

  • 00:47~ 「open your eyes」と音域が上がるが…
  • 00:50~ 高音域ではなく中音域のサビ。01:07からはさらに音域下降気味でかっこよく「I’m too old for fairy tales」

  • 01:57~ タメの効いたヘヴィな演奏
  • 02:07~ メロディックなギターがグルグル。02:14からのドラムとのコンビネーションが刺激的

  • 03:04~ 「I’m too old for fairy tales」が少し響き渡りエンディング

ドッシリとしたナンバーをアルバムの最後に持ってきています。

高音域は封印し中音域での歌。
00:47~は「ラストだしサビは高音域で攻めるか?」となりますが、そうはならないところがミソ。

歌メロの残像を残す締め方もクールなアレンジです。

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