BULLET FOR MY VALENTINEが2021年11月5日に通算7作目『BULLET FOR MY VALENTINE』をリリースしました。
セルフ・タイトル作です。
アグレッシヴさを取り戻しました。
会心の一撃です。
全曲すごいので、この記事でおすすめします。
特徴としては…
- スクリームが多め
- 過去の作品では2015年5th『VENOM』に近い
- 「You Want A Battle (Here’s A War)」のようなダイナミックなコーラスもあり
- ギター・リフ、ギター・ソロが強力
- ドラマティックな要素を加味した曲もあり
- ですが、全曲アグレッシヴさを維持
…といった感じです。
各曲の特徴を紹介していきます。
『BULLET FOR MY VALENTINE』の収録曲
■BULLET FOR MY VALENTINE/BULLET FOR MY VALENTINE (2021年)
- Parasite
- Knives
- My Reverie
- No Happy Ever After
- Can’t Escape The Waves
- Bastards
- Rainbow Veins
- Shatter
- Paralysed
- Death By A Thousand Cuts
メンバー
- マット・タック<Vo/G>
- マイケル“パッジ”パジェット<G>
- ジェイミー・マティアス<B>
- ジェイソン・ボウルド<Ds>
収録曲のレビュー
レビュー内に記載されている時間は、曲をフル再生した場合の表記です。
1. Parasite
ラジオのチューニングを合わせる際に過去の曲(2010年3rd『FEVER』の「Your Betrayal」、2015年5th『VENOM』の「You Want A Battle? (Here’s A War)」「No Way Out」など)が流れるSEが約1分半ほど鳴り響きます。
そして、アグレッシヴな演奏と強烈なスクリームがフェードインしてきて、スタートします。
突進力のあるナンバーで「お!今回はアグレッシヴ!これは来るぞ!」と期待が湧いてきます。
リフも攻撃的で強力。
前作『GRAVITY』が実験的な内容だっただけに、インパクトのあるオープニングです。
スクリーム主体ですが、01:42からはクリーン・ヴォーカルも登場し、このメロディがいいアクセントになっています。
02:22からの弾きまくりのギター・ソロもインパクト抜群。
2. Knives
爆発力のあるドラムにガツンとやられます。
そしてパワフルなスクリームが入ってきます。
「Parasite」よりスピード・ダウンした曲調ではあるものの、回転力のある骨太ナンバー。
ヘヴィなサウンドを支える、弾けるようなベース・サウンドもナイスです。
最初のインパクトがすごいので、その興奮が冷めぬままに曲が終わる感じです。
3. My Reverie
静かにスタートし、ドラマティックに躍進していくナンバー。
アグレッシヴな「Parasite」「Knives」が続いた後のクールダウン的な役割も果たします。
クリーン・ヴォーカルと強力なスクリームを織り交ぜながらのパフォーマンス。
両極端のヴォーカル・アプローチが楽しめます。
スクリーム・パートからテクニカルなギター・ソロ(02:56~)に流れていくのですが、このソロがまたスリリング。
そしてソロから、クリーン・ヴォーカルへと戻る03:32からの構成が素晴らしいです。
4. No Happy Ever After
シャープなリフを主体とした勢いのある曲です。
スクリーム主体で進行し、サビではクリーン・ヴォーカルに。
このクリーン・ヴォーカルでのメロディ展開が素晴らしいです。
中盤(02:13~)の強靭なリフとドラムのパートもインパクト抜群。
そして、こういった攻撃パートの後にしっかりとギター・ソロをフィーチュアするあたり(02:34~)もすごいです。
ここもスクリームからソロに流れるという絶品の構成です。
5. Can’t Escape The Waves
「No Happy Ever After」でのアグレッシヴなスタイルに劇的要素を加味させたナンバー。
クリーン・ヴォーカルの背後でギターがメロディアスに鳴り響きます。
同時にアグレッシヴな展開も維持。
メロディアスさを前面に出しながらも、攻撃力を緩めないのがまた素晴らしいです。
1曲目の「Parasite」から圧倒されて、気が付けばもうアルバム中盤です。
6. Bastards
力強いドラムと骨太ベースと共に頼もしいかけ声が入ってきて曲が始まります。
うねるような曲調を軸にアグレッシヴに展開する圧巻のナンバー。
力強い歌とインパクトのあるギターのフレーズでガンガン攻めてきます。
04:55からは勇壮なコーラスが再び登場。
そこにスクリームとシャープなギターで畳みかけてきます。
勇ましい歌声を導入するアプローチは、『VENOM』収録の「You Want A Battle (Here’s A War)」を思わせます。
7. Rainbow Veins
ミステリアスでドラマティック・ナンバー。
かなりメロディアスな要素が前面に出ています。
サビでのクリーン・ヴォーカルでのメロディとその背後でのダイナミックなコーラスが絶品。
ここは何度でも聴いていたい展開です。
全編クリーン・ヴォーカルかと思いきや、中盤(03:00~)は強力なスクリーム。
ここがまたすごい。
目が覚めるようなインパクト。
背後から支えるリフも強烈です。
8. Shatter
神秘的なサウンドがフェードインし、強力なスクリームでスタート。
攻撃的なリフをバックに、クリーンとスクリームを見事に歌い分けます。
02:44からは「Rainbow Veins」でみられたようなゴージャスなコーラスも登場。
体中にエネルギーが宿ります。
9. Paralysed
再び疾走曲。
最初はスクリーム、サビではメロディアスになります。
スクリームとクリーンのパートの歌い分けが見事で、そのバックではギターが常にインパクトのあるフレーズを放ちます。
ヴォーカルとギターが素晴らしい化学反応を起こしていますね。
中盤(02:48~)には2005年1st『THE POISON』収録の「4 Words (To Choke Upon)」に似たフレーズも登場。
ファンにはうれしい要素です。
10. Death By A Thousand Cuts
出だしはエフェクトをかけたメロディアスなヴォーカル、そしてスクリームで進みます。
この出たしのパートは後にサビのメロディとして展開するのですが、ここはなんとなく『GRAVITY』の「Over It」に似ています。
曲調自体はアグレッシヴなスタイルを維持していますので、アルバム本編のラストにふさわしい曲です。
スクリーム主体で進み、「Over It」に似ているクリーン・パートのメロディのサビという基本構成。
「Over It」は歌メロが見事でしたので、この「Death By A Thousand Cuts」のメロディも最高です。
メロディアスなサビの後にマットのスクリームが入って曲が終わるのですが、この締めくくりがまた圧巻です。
総評
全曲必聴です。
アグレッシヴな「Parasite」でスタートし、どんどん引き込まれていきます。
インパクトのある曲が畳みかけるので「気が付けば中盤」「もう終盤」って感じです。
スクリームとクリーン・ヴォーカルの両方であなたを魅了。
インパクトのあるフレーズをどんどん放ってくるギターも見事です。
最初から最後まで一気に聴けてしまうアグレッシヴ・サウンドです。
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