ドイツの女性Voメタル・バンド、BEYOND THE BLACKの5作目『BEYOND THE BLACK』のレビューです。
2023年1月13日にリリースされました。
- 歌、ギター共に魅力的なメロディが多数
- シンガーのジェニファー・ハーベン<Vo>は、WITHIN TEMPTATIONのシャロン・デン・アデル<Vo>を思わせる場面が多く、曲によってはLACUNA COILのクリスティーナ・スカビア<Vo>も想起
- クリス・ハームスドーファー<G/Vo>はグロウルでも貢献。AMORPHISのトミ・ヨーツセン<Vo>っぽい場面も
力強くてドラマティックな『BEYOND THE BLACK』。
以下の太字9曲がおすすめです。
- Is There Anybody Out There?
- Reincarnation
- Free Me
- Winter Is Coming
- Into The Light
- Wide Awake
- Dancing In The Dark
- Raise Your Head
- Not In Our Name
- I Remember Dying
- ジェニファー・ハーベン<Vo>
- クリス・ハームスドーファー<G/Vo>
- トビ・ロデス<G>
- カイ・チェルシュキー<Ds>
1. Is There Anybody Out There?
- 00:03~「プアプア」したサウンドが印象的でツボる。チャルメラみたい
- 00:25~ 躍動感のある曲調にきれいでソフトなジェニファーの歌が乗る
- 01:03~ サビ。キャッチーで歌声が伸びる展開が心地良い
- 02:46~ ギター・ソロ。ややヒステリックに進行し、02:59からよりメロディックに。さりげなく聞こえてくるキーボードがまたいい感じ
- 03:12~ 静かなパートとエレクトリックなパートを繰り返す → チャルメラ「プアプア」 → サビへ
- 04:17~ ギターがスリリング。マグナス・カールソン<G>が在籍したLAST TRIBEの2003年3rd『THE UNCROWNED』の1曲目「Healer」のエンディング(05:18~)を想起
2. Reincarnation
- 00:00~ 不穏かつ神秘的なスタート
- 00:11~ 重厚かつメロディアスな演奏へ。アジア的なオーラを放つ
- 00:35~ アコースティック・ギター+弾力性のあるベースをバックにジェニファーが歌う。LACUNA COILのクリスティーナみたい(00:54は特にそう)
- 01:13~ クリスのグロウルとジェニファーのクリーンVoによるかっこいいサビ。グロウルはAMORPHISのトミをソフトにした感じ
- 02:47~ サビのメロディを奏でるギターにジェニファーの美声が重なりギター・ソロへ。ツー・バスを軸としたパワフルな演奏にメロディックかつエキサイティングなフレーズが展開
「LACUNA COIL+AMORPHIS」です。
3. Free Me
- 00:00~ スパニッシュ風のギター+ドラマディックなサウンド → ジェニファーの歌が入る。ここではWITHIN TEMPTATIONのシャロンのよう
- 00:52~ サビ。劇的な演奏をバックに美しくキャッチーな歌メロ
- 02:20~ 高揚感のあるジェニファーの歌+気持ちが引き締まるようなかけ声
- 02:36~ ジェニファーの声が伸びてギター・ソロへ。胸アツ
- 02:52~ ジェニファーの歌にうっとり → 歌とギターの応酬 → サビ。バックでギターも泣く
4. Winter Is Coming
- 00:00~ 美しいピアノ+迫りくる劇的サウンド → メタリックな演奏へ
- 00:32~ ジェニファーはキュートな歌唱 → サビに向けてワクワク度が増す(その後に良質メロディが待ち受けてることを確信できる)
- 01:16~ サビ。少しホッとするようなメロディ展開。清涼感があってキャッチー
- 03:09~ スネアの連打が徐々に前面に出てギター・ソロへ。スリリングかつドラマティック・サウンドの中で共感度の高いフレーズが放たれる
- 04:28~ 物悲しくキラリとしたピアノ
5. Into The Light
- 00:00~ 不穏でミステリアス
- 00:19~ メロディックなギターが重なってグルーヴィなバンド演奏へ
- 00:33~ WITHIN TEMPTATIONのシャロンのようなヴォーカル+グロウルで展開(グロウルは「Reincarnation」ほど前面には出ず)
- 01:07~ サビ。01:17からグロウルが重なるところが特に刺激的
- 01:34~ キャッチーなコーラスとギターが交互に攻めてくる
- 02:51~ メロディックなギター・ソロ → ミステリアスに → サビへ
「ノリの良いWITHIN TEMPTATION+ちょっとだけAMORPHIS」です。
6. Wild Awake
最高級のバラードです。
- 00:00~ 切ないアコースティック・ギター
- 00:20~ ジェニファーがギターに呼応しながら物悲しい歌唱
- 01:01~ サビ。ギター+ストリングス+ジーンとくる歌メロ。感動レベル1
- 01:40~ 演奏がエレクトリックに。徐々にエンジンがかかる
- 02:21~ 劇的度が増した演奏+サビ。感動レベル2
- 03:01~ ジェニファーの優しく包み込むような声と共にエモーショナルなギター・ソロ+ジェニファーの伸びる歌声
- 03:21~ 歌メロを少し変えながら涙を誘う。ジェニファーの高音で伸びる歌唱が圧巻。感動レベル3(最大)
7. Dancing In The Dark
- 00:00~ 宗教的な雰囲気+爆発力のあるカイのドラムを軸に進行
- 00:23~ リズミカルなジェニファーの歌
- 01:00~ サビ。曲のタイトルを親近感のあるキャッチーなメロディで歌い上げる
- 02:31~ エモーショナルなギターと共にメタリックな曲調に。ギター・ソロもエキサイティング
- 03:00~ アグレッシヴさが増したドラム+サビ
- 03:00~ サビのコーラスにメロディックなギターが絡みつく
AMARANTHEの「That Song」(2016年4th『MAXIMALISM』収録)に少し似ています。
8. Raise Your Head
- 00:00~ 途切れ途切れの音が刺激的 → ヘヴィでドラマティックな演奏へ
- 00:31~ 浮遊感のある歌+ジェニファーのクリアなリード・ヴォーカル
- 00:53~ ジェニファーの歌がメロディアスに。ここもWITHIN TEMPTATIONのシャロンを彷彿
- 01:04~ サビ。演奏がより劇的になり、ジェニファーの堂々とした歌唱が頼もしくかっこいい
- 02:43~ ジェニファーがアクセントをつけながら声を伸ばす
- 02:47~ ギター・ソロ(ジェニファーが曲のタイトルをコールするところがまたナイス)。高音域フレーズ → 音域が下がりフレーズの浸透度が上がる → エキサイティングさを取り戻す
9. Not In Our Name
- 00:00~ 土臭い雰囲気に「Yeah」がたくさん。「テンション高めでもあり緩めでもある」「ちょっと挑発的」といった感じで何とも言えないムード
- 00:23~ ソフトなジェニファーのリード・ヴォーカル
- 00:39~ 骨太でグルーヴィな演奏に。クリスのグロウルも加わる
- 00:58~ サビ。メロディアスなジェニファーの歌メロとクリスの邪悪な声が絶妙にマッチ
- 01:18~エレクトリックな演奏+冒頭の何とも言えない「Yeah」
- 02:27~ サビの後に絶品の歌メロ。サビで体が温まっているのにさらに気分が高まる
おまけ:AMARANTHE「Make It Better」(2022年)
ジェニファーはAMARANTHEの「Make It Better」の新ヴァージョン(2022年リリース:オリジナルは2020年6th『MANIFEST』に収録)に参加。
オリジナルにジェニファーの歌が重なるアレンジでなかなかかっこいいです。
下記が2020年のオリジナルです(ジェニファーは不参加)。
コメント