スイスの女性シンガー、メリッサ・ボニー<Vo>率いるAD INFINITUMの3作目『CHAPTER III – DOWNFALL』のレビューです。
2023年3月31日にリリースされました。
メリッサはKAMELOTの2023年13作目『THE AWAKENING』やライヴ、H.E.R.O.の2022年3作目『ALTERNATE REALITIES』にゲスト参加するなど、多方面でも活躍中ですが、本作でもすばらしいパフォーマンスを披露しています。
特徴を挙げると…
- 音楽性はBEYOND THE BLACKに近い
- メリッサはクリーンとグロウルの両方を出せる
- クリーンは特に中音域の歌唱が光り、グロウルは骨太でブルータル
- ミックス、マスタリングはヤコブ・ハンセンなので、音質も最高
…といった感じ。
以下の太字10曲がおすすめです。
「Legends」にELUVEITIEのクリゲル・グランツマン<Vo>がゲスト参加していますが、グロウルはなし。
冒頭の語りのみとなっています。
- Eternal Rains
- Upside Down
- Seth
- From The Ashes
- Somewhere Better
- The Underworld
- Ravenous
- Under The Burning Skies
- Architect Of Paradise
- The Serpent’s Downfall
- New Dawn
- Legends (featuring Chrigel Glanzmann)
- メリッサ・ボニー<Vo>
- エイドリアン・ゼセンヴィッツ<G>
- コルビニアン・ベネディクト・ストッカー<B>
- ニクラス・ミューラー<Ds>
1. Eternal Rains
- 00:00~ ミステリアスに始まり、グルーヴィに進行
- 00:20~ メリッサが中音域で歌い始める
- 00:47~ ニクラスのドラムがドンドン。ちょっとトライバル。メリッサは少し闇エネルギーを放つ
- 00:56~ メリッサのグロウル → クリーンVoによるサビ。高音域がよく伸びる。ハートに直撃する歌メロ
- 02:26~ 2回目のサビ → メリッサの声が伸びる → 今度はエイドリアンのギターがハートを刺激
- 03:33~ バックでブルータルなささやき
- 03:45~ よりヘヴィになって不穏さが増す
3. Seth
- 00:00~ ダークサイド的な雰囲気を醸し出しながら、ヘヴィな演奏へ
- 00:54~ 少しテンポが加速。徐々に気持ちが高まるメリッサの歌メロ
- 01:06~ サビ。ニクラスのドラムがいい感じにアグレッシヴ。メリッサのリズミカルなヴォーカルが心地良く響き渡り、01:28からエコーがかかる
- 02:38~ 浮遊感のある音像の中でエイドリアンの哀愁ギターが響く
- 03:02~ ギターの音域が上がり、ニクラスの力強いドラムと共に重厚な演奏再開
4. From The Ashes
- 00:02~ エイドリアンのメロディックなギターが魅力的
- 00:21~ メリッサの歌。少しずつヒートアップしていく唱法で、01:02から声が伸び始める
- 01:20~ サビ。メリッサの声だけになり演奏がフワフワ → 刺激的な音が迫ってきて演奏再開…緩急あるメリッサのパフォーマンスが素敵
- 03:20~ エイドリアンの警告的フレーズが前面に出てきて、非常事態的な演奏パートへ
- 03:42~ 素敵なサビ3回目。きれいな演奏 → ニクラスのドンドンに気持ちが引き締まる
5. Somewhere Better
- 00:00~ メリッサがゲスト参加したH.E.R.O.の「Monster」(2022年3作目『ALTERNATE REALITIES』収録)を思わせる…スローになった「Monster」
- 00:27~ 低音域寄りのメリッサのヴォーカル。00:42から音域が上がり美しさが増す
- 01:12~ サビ。00:00~の「Monster」なギターの旋律をメリッサが歌う
- 02:47~ メリッサの声が伸びて、包容力満点の演奏パートへ。安心感しかない
6. The Underworld
- 00:00~ メリッサのセクシーなささやき → ピロピロ&シャープな演奏
- 00:18~ メリッサが歌い始める。クリーン → グロウル
- 00:39~ スローになってメリッサがクリーンで魅了
- 00:48~ 演奏がいったん止まり、クリーンVoによるサビ。いい感じにアゲアゲ
- 01:10~ ヘヴィな刻みが心地良い
- 02:06~ メリッサの声が千切りされ、演奏がよりドラマティックに
- 02:27~ 浸透度の高いギター・フレーズが放たれる
- 02:49~ 00:39のじっくりパート。02:59からは素敵な「ホウ~」
- 03:08~ いったんフワフワ → サビ
BEYOND THE BLACKの「Winter Is Coming」(2023年5作目『BEYOND THE BLACK』収録)にブルータル度が足された感じです。
7. Ravenous
- 00:00~ アジア風の音像 → ドコドコしたニクラスのドラムを軸に進行
- 00:35~ ちょっとキュートなメリッサの歌
- 00:57~ ニクラスのドラムが徐々に盛り上げ、「フ~~」Open your eyes」
- 01:02~ リズミカルかつメロディックなサビ
- 02:13~ エイドリアンのヘヴィなギターを機に雰囲気が変わる → メリッサの語り(エフェクトのかかったアレンジがまたかっこいい)→ だんだん怪しくなっていき…
- 02:25~ 期待通りグロウルへ
- 02:46~ エイドリアンのアジアなギター
8. Under The Burning Skies
- 00:03~ 歌い出しがAMARANTHEの「Amaranthine」(2011年1st『AMARANTHE』収録)に似てる
- 00:54~ 劇的度が増し、1回目のサビ。メリッサの歌が美しく伸びる
- 01:21~ ニクラスのドラムが入って「Amaranthine」。ここのほうが「Amaranthine」度が高め
- 02:14~ ストリングスをフィーチュアしたバンド演奏と共に2回目のサビ
- 02:42~ 薄暗くドラマティックに
- 03:16~ メリッサの高音が伸びて、3回目のサビへ
9. Architect Of Paradise
サビが絶品のキラー・チューンです。
- 00:00~ キーが少しずつ上がりながらのイントロに背中を押される
- 00:14~ ヘヴィかつドラマティックな演奏へ
- 00:39~ 低音域寄りのメリッサの歌。コルビニアンのベースがガキガキしていてかっこいい
- 01:00~ ニクラスのクールなドラム → サビ。ドラマティックかつグルーヴィでBEYOND THE BLACKっぽい。最高級の歌メロが展開。ヤバい!
- 02:17~ ジリジリし始める
- 02:35~ 残虐性に満ちたグロウル → ささやき → きれいな声…見事な浄化アプローチ
- 03:00~ 素敵なサビへ
10. The Serpent’s Downfall
- 00:00~ 神秘的で躍動感に満ちた演奏
- 00:41~ コルビニアンのベースがいいアクセント
- 01:01~ メリッサの歌に包容力が増す
- 01:18~ サビ。それまでより音域が下がる01:26からが特にいい。01:42からはグロウルも重なる
- 03:01~ グロウル+ザクザク演奏 → エモーショナルなギター・ソロ → ピロピロしてサビへ
11. New Dawn
- 00:00~ 希望の光が差し込んでくる感じ。温かい気持ちになれる
- 00:33~ ソフトで優しさに満ちたメリッサの歌
- 00:57~ 程良くハードに
- 01:10~ ドラマティックかつノスタルジックなサビ。高音域を駆使したすばらしい歌メロ
- 01:45~ メリッサの歌の後ろでキラキラ
- 02:24~ エイドリアンの泣きのギター
- 02:58~ ニクラスのドラムを機にギターのキンキン度が増す
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