2024年12月12日(木)に行われたぴあアリーナMM公演のレポートです。
JUDAS PRIESTを観るのは2005年5月8日(日)のパシフィコ横浜公演以来。
約19年半ぶりの生メタル・ゴッドだったので、とても楽しめました。
2005年もよかったですが、満足度は今回のほうが上。
『INVINCIBLE SHIELD』からの曲がライヴ映えしていたのも大きいですね。
特にロブ・ハルフォード<Vo>の高音はすごい迫力で「常に最新ツアーが全盛期なのでは?」と思えるほど圧巻のパフォーマンスでした。
【演奏メンバー】
ロブ・ハルフォード<Vo>
リッチー・フォークナー<G>
アンディ・スニープ<G>
イアン・ヒル<B>
スコット・トラヴィス<Ds>
公演日/会場
- 2024年12月12日(木):神奈川・ぴあアリーナMM
開演前
- METALLICA「Sad But True」(1991年『METALLICA』収録)
- AEROSMITH「Cryin’」(1993年『GET A GRIP』収録)
などがかかっていて、ステージの両サイドにあるスクリーンから定期的に今後の来日公演のプロモーション映像が流れるというスタイル。
WINGERのフェアウェル・ツアーの案内もありました。
そして、
- 音量が上がってGUNS N’ ROSES「Civil War」(1991年『USE YOUR ILLUSION II』収録)
- さらに大きな音量でBLACK SABBATH「War Pigs」(1970年『PARANOID』収録) → 最後まで再生されずフェードアウト
- オープニングSEが流れるものの、まだ暗転せず → 途中で暗転
という流れを踏み、ショウの本編がスタートしました。
セットリスト
セットリストは全米ツアーと同じで、日本公演も全公演同じ選曲となっています。
アルバムごとの演奏曲はこちらをご覧ください。
「Rapid Fire」 → 「Breaking The Law」 → 「Riding On The Wind」の畳みかけが圧巻でした。
「Sinner」はリッチーがラウドなギターを鳴らし、高々と持ち上げる → スコットのカウントでスタートする流れがかっこよく、「Turbo Lover」は00:11~でスコットが右手のみでスネアを連打する姿がキマッていました。
オープニング
ドラム・セットの前に幕が下がっていて、
- 幕が下がったまま「Panic Attack」を演奏
- ロブのVoが入るところで幕がするりと上がる
といった始まり方でした。
オフィシャル・ライヴ映像と一緒ですね。
1994年にAEROSMITHを武道館で観た時のオープニング(「Intro」~「Eat The Ritch」)もこういったスタイルでした。
十字架(悪魔の音叉)
バンドのシンボルマークである十字架(悪魔の音叉)がステージ上部にセッティングされていました。
曲によって輪郭の色が変わっていて、
- 「You’ve Got Another Thing Comin’」と「Riding On The Wind」…アートワークと同じ黄色
- 「Crown Of Horns」と「Invincible Shield」…エメラルドグリーン
の演出が印象的でした。
また「Invincible Shield」のギター・ソロと「The Hellion」の時は、十字架が下がって正面を向いていて、こちらも効果的でした。
各メンバーのパフォーマンス
ロブはそこにいるだけですごい存在感。
歌っていない時も「ロブは何をしているかなあ」と気にせざるを得ない独特のオーラがありました。
リッチーは『LOUD PARK』でのザック・ワイルド<G:PANTERA>に通じるかっこよさ。
プレイも正確ですばらしかったです。
アンディもステージ前方に出る場面も多く、バンドにハマっていました。
アンディは長髪のほうが似合いますね。
イアンはドラムの左斜め前で黙々と弾く姿が渋い。
定位置でバンドのサウンドを支えるスタイルはQUEENSRŸCHEのエディ・ジャクソン<B>に通じるものがあります。
スコットは背筋を伸ばしながら、正確に叩くパフォーマンスが印象的。
スコットのMC → 「Painkiller」の流れは最高でした。
『INVINCIBLE SHIELD』からの演奏曲
- Panick Attack
- Invincible Shield
- Crown Of Horns
の3曲がプレイされました。
どれもかっこよかったです。
「Panick Attack」はオープニングということもあり、ロブのハイトーンがキレッキレ。
04:51~もちゃんと伸びていて見事でした。
「Invincible Shield」のサビの「Invincible!」(01:23~)は、アルバムでは中音域のVoが前面に出ていましたが、ライヴではあえて高音域。
ロブの攻めの姿勢を感じました。
ギター・ソロでは、エメラルドグリーンの十字架をリッチーとアンディが挟むという配置が映えていました。
「Crown Of Horns」は、ハイトーン・ナンバー2曲(「Devil’s Child」と「Saints In Hell」)の後に配置されたこともあり、ロブの中音域の歌のうまさが際立っていました。
左手に持っていたスティックを上に手放して回転させながら叩くスコットがかっこよかったです。
本編最後の「Painkiller」
- スコット:「What do you wanna hear?」(みんな、何が聴きたい?)
- オーディエンス:「Painkiller!」
このやり取りが2回行われた後、スコットがドラムを叩きスタート。
「Panick Attack」「Riding On The Wind」「Devil’s Child」「Saints In Hell」「Sinner」…ハイトーンの曲が多くを占める本編でしたが、ロブはこの「Painkiller」でもアグレッシヴに歌っていました。
2005年に横浜で観た時は04:03~を中音域にシフトしていましたが、今回はここも高音域。
守りに入らず攻めに徹するパフォーマンスが見事でした。
アンコール
「The Hellion」~「Electric Eye」でスタート。
2005年はこれがオープニングだったのですが、アンコールにも合いますね。
『PAINKILLER』ツアーの時は3曲目に演奏されていたみたいで、本編途中の「The Hellion」~「Electric Eye」も体験してみたいと思いました。
「Electric Eye」終了後、ロブがバイクに乗って登場。
バイクに乗ったまま「Hell Bent For Leather」を歌い、ラストの「Living After Midnight」へ。
「Living After Midnight」ではバイクから降りてバイクの後ろで歌い、曲の終盤になると前方へ出てきて左右に動いていました。
本編2曲目の「You’ve Got Another Thing Comin’」
終盤に演奏されることが多かった「You’ve Got Another Thing Comin’」が2曲目に登場。
「Panic Attack」に続いてプレイされ、これが見事にハマっていました。
今回最後に演奏された「Living After Midnight」を2曲目に持ってくるセットリストも面白いかも。
ショウが終わった後、そんなことを思いました。
前向きな気持ちになれるロブのハイトーン
ロブは声に張りがあり、ハイトーンも圧巻。
ハイトーンのたびにポジティヴなエネルギーが私の体内に注入されました。
ハイトーン曲が多くを占めるセットリスト、「Invincible Shield」のサビでの高音域へのシフト、本編ラストの「Painkiller」など、チャレンジ精神に満ちた攻めのパフォーマンスからは「失敗を恐れず前進あるのみ」といった後押しのオーラが放たれていました。